くらしの漢方
漢 方 話 ( コ ラ ム )

私が漢方について学んだ多くのことを、わかりやすく、おもしろい話としてみなさんにもお伝えしようと、私自身が書いているコラムです。ちょっとした話の種として、みなさんに活用していただければ幸いです。(バックナンバー
Vol.9
◇◇ 漢方薬全◇ 漢方
◇   一物全体(全体食)   ◇            

一つの物を丸ごと全部頂くことを言います。
生命をもつものは、全て全体でもってバランス(栄養・陰陽等)を保ち、その生命を維持し成り立っています。
それを食物として摂取する場合、その食物の丸ごと全体を摂取すると言うことが、食物本来のバランスのとれた生命力を頂くということになります。
それは、私達の身体にとっても効率的で、良いことです。
大きな魚の切り身より、頭から尻尾まで食べられる小魚を丸ごと食べましょう。
野菜も果実も食べられるものであれば、皮ごと、葉、根の部分も食べるのが良いでしょう。
丸ごと食べる玄米。丸ごと鶏一羽を煮込んだスープ。
そこには、バラバラに分けてしまえば取り損なってしまう栄養素が生きています。
トータルに食べる食べ方こそが、結局一番自然で、栄養的にもバランスが良い。
わざわざ人工的に補ったりしなくても、食物を丸ごと頂けば、自然はきちんと必要なものを与えてくれます。
沖縄では、豚肉を多用し、頭から皮、骨、足、耳、内臓、血に至るまで、食しています。
長寿と言われる由縁もこの辺にもあるように思えます。
玄米も精米すると失われる胚芽、糠層部分が大切なのです。
胚芽は玄米全体のたった3%であるにもかかわらず、玄米の栄養の66%を占めています。
糠層部分は29%なんと白米と呼ばれる胚乳部分は5%しかありません。
精米をすることにより玄米としての栄養分の95%を捨てていることになります。
穀皮(玄米の外の皮)は水以外のものを中へ通さないようにできています。
酸にもアルカリにも強いので、胃腸の消化を受け付けないため、玄米のみでは消化不良を起こしやすいのです。
良くか噛みましょうとは、噛むことで穀皮を壊し、胃腸の消化を受けやすくするためです。
                                            


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