くらしの漢方
漢 方 話 ( コ ラ ム )

私が漢方について学んだ多くのことを、わかりやすく、おもしろい話としてみなさんにもお伝えしようと、私自身が書いているコラムです。ちょっとした話の種として、みなさんに活用していただければ幸いです。(バックナンバー
Vol.10
◇◇ 漢方薬全◇ 漢方
◇   身 土 不 二   ◇            

人間も動植物と同じように同じ自然界から誕生した生命です。
その土地で生まれ、そこで育った土地(風土)で取れる物や、環境(気候)四季の中で生活し、その中で取れる食物を食べる事によって、体や心が出来上がってきます。
このように、私たちは生まれ育った土地(風土)や環境(気候)とは切り離すことのできない、つながりを持った一心同体(不二)であるということを言います。
その土地、環境に順応しまた調和していくことが、その人にとって一番適した食生活であり、心身の健康を保っていけるのです。
季節ごとに取れる全盛期の旬の食材は、栄養的にも機能的にもその土地でその時期に健康に生活していくためには、一番必要な物です。
寒い土地で育った人はその土地で取れる体を温める作用のある物を自然に取っています。
(北の国で生産されるサクランボ・リンゴ・ラム(羊)肉など)
暑い土地で育った人はその土地で取れる体を冷ます作用のある物を自然に取っています。
(南の国で生産されるバナナ・キーウイ・パイナップルなど)
北海道と沖縄では気温が違い、冬の長さ、夏の暑さ、梅雨の有無、全部違います。
住む所が違うと生産される物が違います、自ずと食べる物、生活スタイルも変わります。
また同様に季節が変わると、そのつど変わるはずです。
健康に生活していきたいならば、変わらなければいけません。
食事と同じで、その繰り返しが大切であり、長い人生を健康に生き抜く大切な考え方です。
栄養がいくらあっても、どんなに美味しくても日本人が何千キロも離れた地方で取れるものをたくさん食べたり、食べ続けたりしても良いのでしょうか。
ビタミンCが豊富だからと言って、真冬に本来夏の食材であるトマトやキュウリを生サラダで食べ続けることが体に良いのでしょうか。
それらはいずれも体のバランスを崩し、いずれは起こってくるだろう病気のもとを作っていることになります。
話はそれますが、年齢が違うと食べる物が違ってきます、生活スタイルも違います。
男性・女性でも食べる物が違い、、生活スタイルも違って良いと思います。
朝と夕でも食べる物が違ってきます、生活スタイルも違うはずです。
それぞれ構造や状況、環境が違うからです。
食物というのは、その土地によってどうゆうものが合うか、育ちやすいかなどによって、さまざまな種類のものが生まれてきています。
その土地に自然に出来る物は、その土地で成育できる環境であるためです。
その地域で生育するにあたり、一番生命力が強くて、害虫にも自然に強く育つようできています。農薬が必要ないようにできているのです。
本来その土地に合わないものを作ろうとした場合、病気になりやすい、自然に影響されやすいために、農薬やビニールハウスが必要になるか、病気に強い品種改良の必要性が出てくるのです。
                                            


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