地球の健康診断書
1.健康状態: 優 良 可 不可 ( 病名 : 地球温暖化病 )
2.検査結果(告知義務): 下記による。
2-1 CO2濃度値:42万年間以上保ってきた増減巾を突破して今なお増加し続けており、極めて異常である。


図2:南極ヴォストーク基地の氷柱試料の分析によれば、過去42万年間に地球は10万年周期で4回の氷期を経験した。
大気中二酸化炭素濃度は間氷期には300 ppm、氷期には180 ppmと周期的に変動した。(気象庁)http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/20th/box3.htm)
図3:IPCC第三次評価報告書では、6種類の排出シナリオを設定し、百年後の平均気温・海面水位・大気中CO2濃度予測などを
行っている。
2-2
その他の検査結果: IPCC第三次評価報告書に詳細が報告されている。一部を抜粋し、記述する。
平均気温:20世紀中に0.4〜0.8℃上昇。《日本は約1.0℃上昇。1.0℃の上昇は日本が150km南に移動したのに相当する。
海面水位:20世紀中に10〜20p上昇。《福井県の砂浜の水際は15cmの上昇で、30%前後後退したと推察される。》
北半球の海氷:面積は1950年以降で10〜15%減少(春及び夏) 厚さはここ数十年で40%減少(晩夏〜初秋)。
《 》は「地球温暖化の重大影響」(旧環境庁1997)に基づいた当方の見解
3.今後の予測: 上記報告書では6通りの排出モデルに対し、気候予測を行なっている。
一部を記述する。地上平均気温:1990〜2100年間に1.4〜5.8℃(3.6℃±2.2℃)上昇。
〈日本付近では+4.0(南日本)〜5.0℃(北日本)±2.0℃上昇〉
〈 〉は「地球温暖化の日本への影響2001」環境省 より。(http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=2598)
平均海面水位:1990〜2100年間に9〜88cm上昇。
時間的影響:平均気温の上昇と海洋の熱膨張による海面水位上昇は、温室効果ガスの濃度が安定した後も、数百年間続く。
4.治療方法: 地球温暖化病の原因であるCO2などの温室効果ガスの排出量を直ちに50〜70%削減しなければならない。(注1)手遅れになると、子や孫たちに甚大な被害がおよぶ。治療効果のある期間は約50年間。
4-1京都議定書的治療方法: 第一約束期間(2008〜2012)までに先進国は温室効果ガスの排出量を5%(日本は6%)削減する。
その後の方針は未決定。長期計画が必要な土木・建築・都市
計画・交通などの分野では、下記文および図4を参照のこと。
気候変動枠組条約第三回締約国会議における橋本総理開会宣言より
(長期的課題)(抜粋)
・・・IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のバート・ボリーン名誉議長が述べられましたように、「大気中の二酸化炭素濃度を550ppm以下で安定化させるためには、2100年までに世界中の一人あたりの年間二酸化炭素排出量を、炭素換算で一トン以下に抑えること」、すなわち、先進国においてはおよそ現在の三分の一にまで削減することが必要です。http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/09/eha_1208.html
参考:欧州では、2050年までに消費エネルギーを50%削減、そのうち半分を自然エネルギーでまかなうという計画を立てている。
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4-2 早期回復のために
この病気による苦痛や後遺症は、原因を作っている私たちより子や孫たちに甚大な被害がおよびます。加害者の立場にある私たちは検査結果の事実をしっかり受けとめ、治療にあたっては「環境」という言葉のムードに流されず、温室効果ガスを実質的に減少させることが大切です。
近年欧州では、現在の生活の質を向上させながら資源循環型の持続可能な社会を築こうという「環境効率」という処方箋が開発され、産業界を中心に採用されつつあります。物質指向をセーブし、環境税などと合せて広く普及すれば、早期回復も夢ではありません。一刻も早く、地球破滅型の豊かさ を求めることを止め、持続可能な新しい豊かさ の方向に歩み出したいものです。

調査機関: IPCC(気候変動に関する政府間パネル)(世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)によって設置された機関。)
調査:世界各国から996人の科学者(総括執筆責任者と執筆責任者
計122人.執筆協力者516人.査読編集者21人.専門査読者337人)
本文引用: 第三次評価報告書〜第一作業部会報告書 気候変化2001 科学的根拠〜政策決定者向け
IPCC報告書: http://www.jma.go.jp/JMA_HP/jma/press/0103/06a/tar.html
気象庁のHP: http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc_tar/spm/spm.htm
注1:IPCC第2次報告書 (1995)
製作・発行: 福井市21世紀わがまち夢プラン旭地区実行委員会 環境部会
事務局:〒910-0858
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