| 1
夏 2004 平成16年 |
|
バス中は皆夏帽子谷峠
楽聖のチェロ猛々し夏を斬る
炎中や私在る人生ける人
読経の声高々と夏盛り
不意打ちに面張られたる暑さかな
入梅や涙もろきは浪士達
ふーわりと石鹸の香夏休み
舞い上がれして逆さまに落ちよ滝
中年や簾の内に気の弱り
|
| 2
夏 2003 平成15年 |
|
手花火や幼き頃の我の顔
光る海日焼けに合いし茶髪かな
妖精のうたた寝するや月の影
一日で浜の子となり髪洗う
夜一人心澄ませば夏の月
灯を消してなお紫陽花の青さかな
玉葱の和気あいあいと吊るされり
向日葵や手を振っているあっちこち
|
| 3
夏 2002 平成14年 |
|
夏立つや大樹を渡る風の音
潮騒の聞こえる町や青簾
入梅や隣の家の声近し
|
| 4
夏 2001 平成13年 |
|
恐ろしき夏の日差しや蟻まどう
笹の子のすんすん伸びて切られけり
妖精の眠りにつくや夏の朝
風鈴のチリリと鳴いて終いけり
香水の中に入りて話する
白球の放物線や夏来る
風立ちて噴水の音定まらず
噴水のボレロ終りしごとく止む
イアリング付けて森行く薄暑かな
おみな子の上目遣いやさくらんぼ
|
| 5
夏 2000 平成12年 |
|
入梅や警察官の白い靴
入梅やモノトーンなる御堂筋
スニーカー履いて避暑地や恋モード
ペニキュアやサザン江ノ島晩夏光
|