冬



 1    冬 2003 平成15年
更新日時:
2004.07.31 Sat.
 
遠山の大冠雪やとんび鳴く
 
雪の日や足らざるものを埋め尽くす
 
大寒や待ち合わせ人現れず
 
水鳥の脚立つ程の流れかな
 
雪積むや夢の中にも雪景色
 
耳の穴開いて冬の風が入る

 2    冬 2002 平成14年
更新日時:
2004.08.01 Sun.
 
胸白き小さき鳥や冬木立
 
越廼路やさしすせ水仙あっちこち
 
缶の茶に手を絡ませて冬の駅
 
水仙や手指の白き北の人
 
春浅し幼き頃の夢ばかり
 
病室の明かりは消えず雪起こし

 3    冬 2001 平成13年
更新日時:
2004.08.01 Sun.
 
善きひとと人は言うなり初しぐれ
 
寸と来てまた遠ざかる冬日かな
 
さりげなく渡す蜜柑や恋初め
 
手のひらに温み伝えし枯木かな
 
冬の日をいとおしみつつ野球する
 
竜神の天駆りけり冬の雷
 
献血の声の戻りし時雨かな

 4    冬 2000 平成12年
更新日時:
2004.08.01 Sun.
 
中年や耳鳴りやまず山は雪
 
養生を訓とするなり冬日和
 
湯豆腐の角鋭きを壊しけり
 
本音とは寂しきものか冬木立
 
中年や部屋かたづかず年の暮れ
 
挨拶も後ろ向きなり冬の朝
 
ぬぐいても冷たき雨や和紙の里

 5    冬 1999 平成11年
更新日時:
2004.07.31 Sat.
 
光強し星見つけたりクリスマス
 
木枯しや狭き町にて丸太挽く
 
小春日や耳を澄ませば潮の音
 
朝寒や白衣の人の急ぎ足
 
木枯しや屠らる牛の目に涙
 
どんぐりの丸きもありて背比べ


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