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冬 2003 平成15年 |
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遠山の大冠雪やとんび鳴く
雪の日や足らざるものを埋め尽くす
大寒や待ち合わせ人現れず
水鳥の脚立つ程の流れかな
雪積むや夢の中にも雪景色
耳の穴開いて冬の風が入る
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| 2
冬 2002 平成14年 |
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胸白き小さき鳥や冬木立
越廼路やさしすせ水仙あっちこち
缶の茶に手を絡ませて冬の駅
水仙や手指の白き北の人
春浅し幼き頃の夢ばかり
病室の明かりは消えず雪起こし
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| 3
冬 2001 平成13年 |
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善きひとと人は言うなり初しぐれ
寸と来てまた遠ざかる冬日かな
さりげなく渡す蜜柑や恋初め
手のひらに温み伝えし枯木かな
冬の日をいとおしみつつ野球する
竜神の天駆りけり冬の雷
献血の声の戻りし時雨かな
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| 4
冬 2000 平成12年 |
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中年や耳鳴りやまず山は雪
養生を訓とするなり冬日和
湯豆腐の角鋭きを壊しけり
本音とは寂しきものか冬木立
中年や部屋かたづかず年の暮れ
挨拶も後ろ向きなり冬の朝
ぬぐいても冷たき雨や和紙の里
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| 5
冬 1999 平成11年 |
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光強し星見つけたりクリスマス
木枯しや狭き町にて丸太挽く
小春日や耳を澄ませば潮の音
朝寒や白衣の人の急ぎ足
木枯しや屠らる牛の目に涙
どんぐりの丸きもありて背比べ
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