†オーストリアの蝶†




『私は、ベルサイユの女王として立派に死を待ちます。』
彼女はそう言っていた。
そして、断頭台の霧となった。
彼女の死は、立派であった。

『オーストリアの蝶』となり、『ロココの女王』にもなり、
ベルサイユに君臨した。美しく気高く。
彼女は、国民に愛された憧れとなった。

しかし、彼女の幸せは永遠ではなかった。
彼女は、何もかもを失っていった。
愛する夫、子供達、住まい・・・・。
不幸のどん底に突き落とされた。

フランス革命は何を求めていたのだろうか?
支配者の死?新しい国?

彼女の亡骸は長い間放置された。

彼女の死は気高く美しかった。
まるで薔薇のように。
気高く咲き美しく散ったいちりんの薔薇。
それこそが、
ブルボン王朝最後の王妃。
マリー・アントワネット・ジョゼファ・ジャンヌ・ロレーヌ・オートリッシュ
オーストリアとフランスの気高き蝶なのだった。