KenYaoの天文資料館

1997/6/21製作
2005/05/08更新

北アメリカの遺跡と天文


アメリカ大陸にヒトが住み着いたのは紀元前1万年ころと考えられているが、氷河時代で気温は涼しくマンモスなどの大型動物を中心に狩猟生活をしていた。BC7000年頃になると気温が上昇し、中米付近では農耕生活へと変化していった。


アメリカ・インディアンの遺跡


●太陽の神殿
コロラド州西南部のデュランゴという小さな町の近くに、メサ・ヴェルディというアメリカ・インデイアンの遺跡がある。BC1000年前後の住居跡や、太陽の神殿と呼ばれるものもあるが天文台として利用された形跡はない。

●カホキヤ
アメリカ中部の平原地帯に行くと、土盛りの幾何学的な配列があちこちが見られるようになる。中でも有名なのが、セント・ルイス近くにあるカホキヤと呼ばれる大きな円状の土盛りがある。直径は約130mあり、その円に沿って20本の柱を立てた様な穴が残っている。この遺跡はBC800年〜AD1550年にかけて、インディアンたちが太陽観測をしていた証拠である。

●メディシン・ウィール
ワイオミング州シェリンダ近くのビッグ・ホーン山系高地(海抜3500m)にあるメディシン・ウィールと呼ばれる石積み(ケルン)がある。このあたりにアメリカ・インディアンが住んだ時期はBC1400年〜AD1700年である。
中心にある石積みから、放射状に石の列筋が28本伸びていて、周囲にもいくつかの石積みがある。全体としては直径約30mの車輪の様な形に縁取られている。中心と周囲の石積みを結ぶ方角は、夏至や冬至の日の出方向、およびシリウス・リゲル・アルデバランの昇る方向と一致している。


▼参考文献
  1. 磯部王秀三著「宇宙を意図したのは誰か」1995、PHP
  2. 桜井邦明著「天文考古学入門」1982、講談社現代新書
  3. 青木晴夫著「マヤ文明の謎」1984、講談社現代新書

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