平成15年   300名山 No.9   荒船山(1422.5m)

                           3月30日(日) 晴れ

  内山峠登山口(6:10)→一杯水(7:15)→トモ岩展望台(7:50〜8:25)→
  経塚山(9:00〜05)→トモ岩展望台(9:40)→一杯水(10:00)→
  内山峠登山口(10:55)

 国道254号線から見上げたトモ岩は、まさに荒波を航海する船のように見える。下仁田から佐久に向かう人は、左手に見えてくるその独特の風貌をした山に、しばし見とれてしまうことだろう。
内山峠の駐車場に泊まって早朝歩き始める。最初からアイゼンをつけたが、すぐに雪はなくなってきたのではずしてしまう。日の当たる所と当たらない所の寒暖の差が激しい。すぐ、トモ岩の上部から太陽が昇ってきた。後ろから明るく照らされて浮かび上がるト岩は絶好のビデオの被写体である。
トモ岩直下に、凍った滝が2つあった。遠目に見たところでは勢い良く流れているように見えるが、全く音がしないのが不気味である。このように大きな滝がどのようにして凍ってしまったのかとても不思議であったが、いずれにしても、素晴らしい氷の芸術品である。
トモ岩の登りは所々凍っていて滑りやすかったが、振り返れば白い雪を頂いた八ヶ岳連峰があざやかに見えた。大地に足を踏み入れると、緩やかな道が雑木林に続いていた。
 トモ岩の展望台へは一旦下る。下るはずはないと頭から信じていたので、展望台は通り過ぎてしまったのではないかと引き返したりして、少し時間を無駄にした。トモ岩展望台からは北側全体が見渡せ、方位盤もあった。眼下には神津牧場、その先に又しても堂々とした浅間山、上越の山々。しんがりは屏風のように並んだ北アルプスが朝日に光っている。
 双眼鏡で覗いて見ると、穂高や剣、鹿島槍など特徴のある山々が手に取るように見える。余りの迫力に、気が付くとそこに30分もたたずんでいた。
 雑木林の台地を進んでいくと、やがて木々の間からおわんをかぶせたような荒船山の最高地点である経塚山が見えてくる。急登ではあるがほんのひと登りで石の祠がある頂上に着いた。頂上を示す標柱の朱がいやにあざやかだ。
 帰りに展望台の小屋の近くで「何時頃から歩き始めたのか」聞かれたので、得意になって「6時一寸過ぎです」と答えたら「熊や猪もいるんだから、あんまり早くから歩いたら駄目だよ」と言われてしまった。
 陽の当たる所は雪もなく、草花の芽も出かかっていてもう春がそこまで来ていた。