日本200名山 NO.63    有明山(2268m)    

              
平成18年10月15日(日)  快晴
  有明荘駐車場(6:20)→山頂へ1.9km地点(7:35)→有明山
    (9:45〜10:15)→山頂へ1.9km地点(11:35)→有明荘駐車場(12:20)
頂上から見た鹿島槍ヶ岳
 町営有明荘の裏側の駐車場からいきなりの急登である。石狩岳を始めとして、勾配のきつい山はいくつも経験してきたが、3時間余り連続する急登はここが一番かも知れない。特に手がかりのない土の道など、足下が不安定でずるずる滑っていく。
 頂上までずっと林の中を歩き、夏なら涼しいのかも知れないが、周りが全く見えずただ足下だけを見て歩くのも精神的につらい。シャクナゲの木が連続し、シーズンであれば見事な花を咲かせるのかも知れない。時々、はっとするような真っ赤な紅葉が現れ、太陽の光線できらめいていたりする。
 一度道を間違えた。右手に進むべき所をまっすぐ登って行ってしまったのだ。登らなければならないという先入観か、それとも何か考え事をしていてぼんやりしていたのか。まもなく足跡が消えてしまったのだ。少し先へ進めば本来の道に合流するのではないかと強引に林の中を進んでいったが、いっこうにらちがあかない。「迷ったら元に戻れ」を実践して何とか事なきを得た。
 ようやく頂上部の尾根道に出ると、道は水平移動になってアルミニウムの立派な鳥居のある頂上(北岳)に出た。ここに有明山社の奥社がある。その奥社の横に富士山が顔を出し、その左には八ヶ岳の峰々が雲間に浮かんでいる。反対側の歩いてきた方面には、餓鬼岳がとても近くに見え、右手に昨日登った針ノ木岳が意外にも穏やかな曲線を見せ、対照的にごつごつした鹿島槍が存在感を見せていた。
 200mほど離れた所にある中岳からは眼下に安曇野ののどかな平野が広がっており、裏側には燕岳から大天井岳につづく山並みが屏風のように連なっている。ビデオを望遠にすると燕山荘もはっきりと見える。苦しんで登ってきた後、出会える雄大な景色がそのご褒美というわけか。
 帰りは何度も転んでしまった。特に木の根やササの茎が滑る。左腕に数カ所の擦り傷、ズボンのおしりにひっかき傷を作ってしまった。しかし、有明荘でキノコが一杯入った信州そばを食べて、満足満足の一日だった。