日本200名山 NO.58    石狩岳(1967m)    

                   
平成18年8月8日(火)   晴れ
  シュナイダーコース登山口(5:10)→水場(5:40)→かくれんぼ岩(7:40)→
   石狩岳の肩(8:35〜45)→石狩岳(9:30〜55)→石狩岳の肩(10:20〜25)
   →かくれんぼ岩(11:00)→水場(12:20)→シュナイダーコース登山口
   (12:50)
石狩の肩から見た石狩岳
 昨日は一杯車が入っていたのに、今日は僕の車だけ。明日の早朝には何台か入っているだろうと思ったが、目を覚ましてみても状況は変わっていない。たった一人で山に入るのはさすがにためらいがある。入口の小さな祠に「熊に会いませんように」と真剣に祈ってしまった。
 クマザサの生い茂る森は何となく気持ちが悪い。平坦な道なので早足で歩いたら、水場までは意外に早く着いてしまった。「シュナイダーコース開設25周年」という標識が木にかけてある。1986年のことだから、丁度20年前のことだ。
 傾斜はだんだん急になっていく。でも尾根に出ると涼しい風が吹き渡っていて気持ちがいい。ダテカンバの林の間から石狩岳と思われる頂上部が見えてきた。まだまだ先だ。左手にピラミダルなきれいな山が見えている。一瞬考えたが、間違いなく昨日登ったニペソツ山だ。東大雪山群の盟主と言われるだけのことはある、堂々とした姿だ。
 覚悟を決めて急坂を登っていったが、ハイマツ帯を抜けて石狩岳の肩に出ると、あまりの息苦しさにへたり込んでしまった。しかし、目を上げれば石狩岳の青々とした頂上部が目に飛び込んできて、あまりの感激に疲れも一瞬にして吹き飛んでしまった。砂礫の地面に目を移すと、なんとそこにはかわいいコマクサが風に揺れていた。
 南側斜面は高山植物の宝庫だった。いちいち感激するにはあまりにも疲れていたのでひたすら頂上を目指す。昨日のニペソツとはうって変わって、穏やかな上天気の頂上だった。稜線の北に目をやれば丸みを帯びた音更岳、反対側には手の届くところに小石狩岳や川上岳が見える。石狩岳の背後には雪を抱いた大雪の山々が連なっている。苦労が報われる瞬間だ。
 帰り道でようやく登山者に会った。登山口の入り口を間違えて、登山の時間が遅くなってしまったと、少々焦って言っていた。いずれにしても、誰にも会っていなかっただけにほっとする気持ちがある。急坂が続くだけに思ったより早く歩け、1時前には登山口に戻っていた。