日本200名山 NO.85     毛勝山(2414m)    

          平成20年7月6日(日)   晴れ後曇り
  登山口(5:00)→1060m地点(5:45)→1700m地点(7:50)
  →モモアセ山(9:30)→毛勝山(11:30〜12:05)→モモアセ山
  (13:45)→1700m地点(14:20)→1060m地点(16:00)
  →登山口(16:50)

毛勝山
 前日午後2時に家を出て、5時には登山口に着く。登山口の様子をデジカメで送ってくれた人がいて、それが大変役立った。今日はここで車中泊だ。
 先達が誰もいないのには一抹の不安を感じたが、青々と草の茂った林の中へ足を踏み入れる。すぐに道は急登になり固定ロープが何カ所か現れる。尾根に出るとやっと傾斜がゆるくなり、左手にはガスの中から僧ヶ岳の幻想的な頂上部が見えている。
 樹齢1000年を越えているのではないかと思われる大杉、雪のせいか奇妙に曲がってしまった杉、何本にも枝分かれした杉などが現れる。右手の木陰から雪を被った毛勝山遙か遠くに見える。下を覗けば残雪の時期に登る阿部木谷コースが雪解け水の音を響かせている。谷を一気に登るこのコースはかなり手強そうだ。
 1700mあたりから木々も低くなり見通しがよくなる。日当たりのいい山道にはシャクナゲやニッコウキスゲ、イワカガミなどが現れてほっとする瞬間である。やがて想定外のものが現れた。たっぷり残っている雪渓である。この時期やはりアイゼンは必要だった。雪が固いので安易にトラバースはできない。何しろ八海山で滑って尾てい骨をやられているので慎重にならざるを得ない。危険な個所は上部に迂回するので時間がかかる。もうひとつ大変なのは雪渓の先の何処に登山道があるかである。
 毛勝山が雄大な姿を見せているが、まだいくつかの雪渓が続いている。苦労していると下からにぎやかな声が聞こえてきた。福井の市役所の山岳会のメンバー4人で、その中に旧知の人がいて急に心強くなった。
 最後の雪渓を越して、急登を登れば信じられないほど素敵な広場に出た。ハクサンフウロと思われる小さな花が一面に咲くお花畑だ。チングルマも小さな白い花を咲かせている。頂上はすぐ先で、小さな石像と山名が書かれたプレートがある。剣岳が独特の山容を見せているが、あれよあれよと言う間にガスが沸いてきて近くの山師か見えなくなってしまった。これだけ苦労してたどり着いた頂上であるが、30分ぐらいで下山にかかった。
 順調に来た道を下りていったが、雪渓の一個所で道を間違えたらしく、変なところに出てしまい何処へ行ったらいいのかわからない。白く立ちこめたガスが方角さえ分からなくしている。もしこれが一人の時だったらと思うとぞっとした。結局元に戻ることにしたら、上部の方に登山道があった。30分ほどのロスタイムであった。
 1700m地点を過ぎたあたりから左足の膝が痛み出した。最近8時間以上の山では時々こういうことがある。みんなと別れて自分のペースでゆっくり下りる。1060m地点からはさらに痛みが激しくなり、びっこを引く状態。木立の間から青い車が見えたときは、思わずバンザイと叫んでしまった。