日本200名山 NO.98     駒ヶ岳1131m)    

         
平成21年9月19日(土)晴れ
 登山口(9:15)→5合目(10:00)→6合目(10:25〜30)→
 5合目(10:50〜11:15)→登山口(11:40)
 初めて北海道に足を踏み入れた時、最初に目に入ったのが駒ヶ岳である。独特のスカイラインをもつ山と麓の広々とした牧場が、それからの僕の北海道のイメージとして固定してしまった。
 8年前百名山を登っていた時に挑戦しようと思い6合目駐車場まで行ってみたが、そこで初めて登山禁止の山であることを知った。登る予定がなかったので全く情報を仕入れていなかったのだ。ところが一昨年北海道を訪れた時「駒ヶ岳に登ってきたよ」という人に会った。自己責任で登っている人が多いという話だった。
 今回、2度目の挑戦である。前夜フェリーで苫小牧に入り、翌朝海岸沿いを走っていると、海の上に駒ヶ岳が浮かんでいた。海上の駒ヶ岳を見たのは初めてで、これもまた印象的な姿であった。登山口へ着くとやはり「登山禁止」。ただし、8,9月は6合目まで行けるとのこと。とにかく行ってみようと、アスファルトの道を歩き始めた。
 木々を揺らす秋風はさわやかで、空も青い。5合目の近くになるとアスファルトも途切れ、高い木がなくなってきたので急に視界が開けた。駒ヶ岳は左手にちらちら見えているが頂上部には雲がかかっている。道は火山独特の細かい砂に変わり、コンタクトの目が痛い。
 あっけなく6合目に着いた。「他に同行者がいれば馬の背まで行ってもいいかな」とひそかに思っていたが「入山禁止」の大きな看板にすでにその気は失せていた。半分物足りない気持ちだったが、ここは勇気を持って引き返すことにした。火山の山である浅間山がそうであるように、許可が下りているいちばん近いところまで行ったということで勘弁してもらおう。下では見えていた駒ヶ岳はガスがかかって見えない。
 下山途中だんだん山の全貌が見えてきたので、写真を撮ろうと思ったらカメラがない。どこで失くしたのか全く覚えていなかったが、とにかく最後に写真を撮った所まで戻ろうと歩き始める。「なかったらどうしよう」と悪いことばかり考え、焦ってくる。眼を皿のようにして下を見ながら登っていく。結局最後に写真を撮った場所に落ちていて心底ほっとした。どうして落ちたのかと考えていたが、どうも、後ろ手にリュックのポケットに入れようとして、入らずに落ちてしまったのに気がつかなかったようだ。それからはポケットに確実に入ったかどうか確認するようになったのは言うまでもない。
眼を上げると駒ヶ岳が青空にそびえていた。さっそくセルフタイマーで山を入れた写真を撮った。この山を見せてくれるために、わざわざここまで戻らせてくれたのかなと、ポジティブに考えることにした。