昔登った山は、頂上からの眺望や楽しかった場面はよく覚えているが、途中の行程や苦しかったことなどはすっかり忘れている場合がある。金剛堂山もそんな山の一つだ。前金剛から中金剛の間の草原を歩いた時のそう快感が忘れられずもう一度挑戦したくなった。
砺波ICからスノーバ レースキー場近くの栃谷登山口までも思ったより時間がかかる。登山口の広場は多くの車が止められておりほぼ満杯。時間的に見て僕らが最後の登山者ではないかと思われた。
赤い鉄橋を渡り登山道に入る。最初は渓流に沿う道だが、しばらく進むと段差のある擬木の階段が続き息が上がる。しかし、登山道はよく手入れされているので歩きやすい。やがて樹齢200年は越しているのではないかと思われるブナの大木が現れる。スキー場方面が開けて見える所があるが、登山道は木立におおわれあまり視界は無い。
なだらかなピークと思われる場所に「片折岳」の標識が枝にぶら下がっていた。気を付けていないと見落としてしまいそうだ。その辺りからぼつぼつ紅葉が始まっており赤やオレンジ色の葉っぱが目に飛び込んでくる。アップダウンがが続き、ひょっとして頂上かと期待しては軽い失望を味わう。今度のピークにもまだ先があるかもしれないと思っていたら、そこが前金剛だった。ピークは前金剛、中金剛、奥金剛とあるが、前金剛を金剛堂山と呼んでいるらしい。 k
山頂には御影石の社殿があり、立派な方位盤もある。しかし周りは真っ白で何も見えない。前回立山や剱岳、北アルプスなど見えて感動しただけに残念ではあった。昼食後、中金剛に至る草原に降りてみた。草紅葉におおわれ広々としたこの場所は、紛れもなくこの山の最大の魅力の一つであろう。
赤土で滑りやすく、危険な個所も無いわけではなかったからか、下りにも結構時間がかかった。高速道路の流れが悪い所もあって福井に着いたら7時前。すっかり暗くなっていた。
|