日本200名山 NO.97     南駒ヶ岳2841m) 
 日本300名山 NO.
19          越百山2613m)

             
平成21年9月12日(金)晴れ 13日(土)雨
 @駐車場(7:15)→金沢土場(8:25)→6合目(9:50〜55)→
  仙人の泉(11:10)→8合目(12:00〜15)→木曾殿山荘(13:35)
 A木曾殿山荘(5:40)→空木岳(7:00〜05)→南駒ヶ岳(8:40〜45)
  →仙涯嶺(9:40)→越百山(11:05〜10)→越百小屋(11:50〜
  12:05)→下のコル(14:00)→登山口(14:30〜40)→駐車場(15:20)
 @前日6時半に家を出て恵那峡SAで寝る。5時半ごろ起きて登山口に向かう。一度通っているので安心感はあったが、水を流すためにVの字に切れ込んでいる所で、思い切りコンクリートに車体をぶつけてしまったのだ。夕張岳でレッカー車を呼んだ苦い思い出があるので嫌な気分になった。それに明日は雨の天気予報なのでその時はどうするか考えると暗くなってくる。
 長い林道を歩いていると車が何台も登ってくる。「乗せてもらえたらいいな」とひそかに期待を込めていたが、むなしかった。すぐ、工事の車に乗せてもらおうなんて図々しいと反省した。林道の終点である「うさぎ平」で食事をしていた下山者が「木曾殿山荘は完全予約制ですよ。宿泊者が多いと泊めてもらえないかもしれませんよ」と言われてしまった。山小屋はどこでも予約なしで止めてもらえると思っていたので少しあわてた。その後2回携帯でかけてみたが通じなかった。
 いよいよ山道に入る。周りの笹が刈り取られており、歩きやすいしっかりした道だ。トラバースして急登する、これが繰り返されるが、急登は長く、林の中で視界もないのでかなり疲れる。やがて左手に木曾駒ヶ岳に続く縦走路がちらちらと見えてくる。登山道は南側に回り込み、今度は南駒ヶ岳への縦走路が見えてくる。南駒ヶ岳は特に堂々とした山容だ。明日はガスの中かも知れないので目に焼き付けた。前方に見えている空木岳の岩綾が険しい。
 案の定、山小屋の受付ではしっかり嫌味を言われた。時間が早かったのでまだよかったのかもしれない。それから続々と宿泊者が増えて、今日の布団は2枚に3人だった。これだったら良しとしなければならない。

 A3時頃女性軍のお化粧する音と明かりで目が覚める。団体になるとどうしても遠慮がなくなる。お化粧をすると気持ちよく汗がかけないのではないかと思うが、大きなお世話かもしれない。外は強い風とガス。5時半ごろ次々と登山者が出ていくが、僕は考えあぐねていた。景色はまったく見えないし、風は稜線に出るともっと強いだろう。明日は好天が約束されているのだから、1日停滞すると小屋の主人に言ったら、「道はしっかりしているし、これくらいの風は大丈夫ですよ」と言われてしまう。「今日は土曜日なので小屋は込んでいるからいい返事をしないのかな」と思ったりもしたが、結局その言葉に後押しされて外に飛び出した。
 空木岳への道は最後まで急登なのと、体が完全に慣れていないうちの歩きなので息が苦しい。一瞬だけガスが晴れて、木曾殿山荘が真下に見えた。頂上はガスの中、誰もいない。結局ここから越百小屋を過ぎるまで誰にも会わなかった。強い風とガスの中なので、道を間違えないことだけを気をつけた。岩につけられた赤の矢印だけがたよりだ。摺鉢窪避難小屋への案内板が初めての文字だ。それでも南駒ヶ岳までは風も我慢できる程度で、視界も50メートルほどはあったので順調に進んだ。
 そこからがつらかった。雨まじりの強風は容赦なく顔を打ちつけ、視界も15メートルくらいになってしまった。仙涯嶺の岩綾もシルエットが見えるだけだ。越百山には何度も何度もだまされた。ガスの中に見える小山がピークではないかと期待して行くと、まだ先にピークがある。これを何度も繰り返されると精神的にもガクッとくる。おまけにハイマツが登山道をおおい、歩きにくいことこの上ない。
 ようやく着いた越百山も強い風の中。自分で撮った写真を後で見てみると、水鼻がしっかり写っていたのにはまいってしまった。方向をしっかり確かめて越百小屋の方に下山する。ひっそりと建つ越百小屋に着くとほっとする。ここまでくればもう迷うこともないだろう。小雨の中、外のベンチで昼食のパンをかじった。
 小屋を出ると雨は本格的になってきた。山道にも水が流れ出した。途中で初めて男性2人組の登山者に会った。そのあと、次々と20人位の登山者が登ってきた。木曾殿山荘で会った人は「越百小屋の宿泊客は3人しかいなかった」と言っていたが、今日はにぎわいそうだ。
 林道を歩きながら「オイルがもれていませんように」と祈っていたが、大丈夫だった。スピーカーではダムの放水もあるので注意するように呼び掛けている。とりあえず駐車場を脱出して、須原の集落が見える所でぬれた服を着替えた。PAであったかいラーメンを食べてやっとほっとできた。