日本200名山 NO.65    二王子岳(1420m)    

       
平成18年10月29日(日)  曇りのち晴れ
  二王子神社(6:10)→一王子小屋(7:20)→定高山(7:55)→油コボシ
    (8:45)→二王子岳(9:30〜45)→油コボシ(10:15)→定高山
    (10:50)→一王子小屋(11:15)→二王子神社(12:00)
 「みかぐら荘」から二王子神社までは国道290号線や県道を経由して50キロあまりで、意外にも近かった。3時半頃神社に着いたが、天気の良い休日だからか駐車場は車であふれていた。この山の人気のほどが知れる。神社も山の中にあるにしては大きくて立派だ。車で寝ていると満天の星。星を見ながら寝るなんてかなり贅沢だ。
 
 明け方一台の車が入ってきた音で目を覚ます。温かいシチューをして朝食。先ほどの人が山に入ったのを確かめて、後を追うように歩き出す。遠くでサルと思われる動物の騒がしい鳴き声が聞こえる。立派な杉林を越えればきれいな小川が流れ、苔むした岩が点在する日本庭園のような所に出る。耳を澄ませば岩の下から伏流水のさらさらという音が聞こえる。
 空は今にも泣き出しそうである。今が盛りの紅葉も輝きが足りない。急登の油コボシを過ぎれば後は穏やかな稜線歩きだ。8合目の湿原あたりから朱色をしたかまぼこ型の避難小屋が見えてくる。途中左手に小さな地蔵と碑が立っていたので行ってみると、それは個人の慰霊碑だった。「山が好きだったので景色の良いところに」と思って兄弟が立てたのだろうが、何となく違和感を感じるのは僕だけだろうか。
 避難小屋の裏側が二王子岳の山頂だ。「青春の鐘」という、照れてしまうような名前の鐘がある。その裏側には雄大な飯豊連峰が連なっている。ここは飯豊連峰の大展望台なのだ。夏に登ったえぶり差岳から鉾立峰、大石、頼母木山、地神山などが手に取るように見える。大日岳や飯豊山などの主峰は残念ながらガスの中である。双眼鏡でもう一度稜線をなぞってみると、えぶり差しの避難小屋と頼母木小屋がはっきり見える。太陽も顔を出し始め、足下の紅葉が全山に伸びている。反対側に目を転じると新発田市の街並みと田園風景、そして日本海まで見渡せる。
 新発田市でラーメンを食べ、1時過ぎに高速に乗り、家に着いたら5時半だった。2日間とも天気に恵まれ、充実した山行だった。