日本200名山 NO.57    ニペソツ山(2012m)    

                 
平成18年8月7日(月)   曇り時々晴れ
  杉沢出合(5:00)→頂上まで4q地点(6:30)→頂上(9:00〜25)→天狗のコル
    (10:30)→頂上まで4q地点(11:40)→杉沢出合(13:05)
天狗岳から見たニペソツ山
 フェリーの日付を1日間違えるという大失態を演じてしまったが(出発が夜中の1時半になったので同日出発の同日着になったため)、1等しか残っていなかったが何とか変更できた。幸運にも相客は無く、部屋を独り占めして、眠くなったら寝て起きたら本を読むという気ままな時間を過ごすことができた。
 カムエを登るつもりで帯広からにはいったが、「ダムから先通行止め」のサイン。仕方なく予定を変更してニペソツ山に登ることにした。石狩岳の登り口も確認して杉沢出合の駐車場には2時頃着く。日曜とあって車が道路にあふれていた。駐車場泊やテント泊の人も5組ほどあり、これまで登ってきた山やこれから登る山の話に花が咲く。

 4時半頃にはみんな起き出して準備をしていた。僕は朝ご飯を食べ、少しあせって登り始める。どの山も始めは見通しの利かない林の中を黙々と歩くことになる。小天狗にかかる坂道を上って行くと、視界が開けて十勝連峰や石狩連峰、そして名も知らない山々が見えてきた。
 道は岩混じりになり、だんだん岩の上を歩くようになる。高山植物も多くなり、チングルマはもう箒になっている。雲行きがだんだんあやしくなり、ガスが流れ込んでいる。
前方に緑のきれいな三角形の山が見えてきた。ニペソツ山である。縦走路が頂上まで肉眼で見える。いったん下っていけば、後は最後の登りである。しかし、頂上に近づけば近づくほどガスが発生し、風も強い。夏山を登っている感じではない。周りの見えない山道をひたすら登っていると、いきなり「ニペソツ山」の標識が出てきた。心の準備ができていなかっただけに何だかとてもあっけない感じだった。
頂上には冷たい風が吹き荒れていて、雨具を着る人もいた。あまりにも寒かったので反対側の崖を少し降りた所で休んでいた。相談したように、さっそくガスコンロを出して温かいものを作り出す人が多かったが、僕は一人で下山にかかった。
行くときは覚悟をして歩いたせいかそれほど長く感じなかったのに、帰りはとても長く感じた。糠平湖が白く輝いていた。
山を下りて幌加温泉に行く。山の中に2軒の温泉宿があるほんとうにひなびた山の温泉だ。露天風呂へは砂利の道を数十メーター歩く。下には渓流が流れ、緑の木々が近くまでせまり、山の涼しい風が吹いていた。いつまでも思い出に残る温泉となるだろう。