日本200名山    笈ケ岳(おいずるがだけ)(1841m)    

                        平成26年5月3日(土) 曇り一時雨
   白山自然保護センター(5:35)→野猿広場(6:05)→大岩(7:05〜15)→            冬瓜(かもうり)(9:30〜40)→シリタカ山(10:30)→笈ヶ岳(12:05〜35)
  →冬瓜平(13:25)→合流地点(14:40)→大岩(16:15)→野猿広場
  (17:15〜25)→白山自然保護センター(17:45)
 浜松のSさんのリクエストで、今年のゴールデンウィークは笈ヶ岳に登ることにした。前回はテントを担いでの登山で、相当苦労した思い出があるので少し躊躇したが、今回は白山自然センターからの日帰りコースだったので、だんだん「登ってもいいかな」という気になってきた。
 午前4時に大野のS先生宅集合だったので、3時少し前に起床。しかし前日は8時に寝ることができたので、睡眠時間は十分だ。Sさんの友人と4人で出発。出発地に近づくにつれて、どんどん明るくなってきた。駐車場はもうかなりの車で満車近く、どうやら我々は最終の出発らしい。
 遊歩道の案内はあるが、笈ヶ岳登山の案内は全くないので少し不安だったが、先発の人の後をたどる。すぐ「通行禁止」の標識があったので少し戻って左手の道に入ると、夫婦が下りてきて「ここは行き止まり」と教えてくれる。さっきの「通行禁止」の標識は一般のハイカー用のものらしい。川に沿って進んでいくと、目的の「野猿広場」に到着しやっと安心する。
 しかし、そこからが難行の始まりだった。ロープのある急登の連続である。しかしみんなの足は速く、大岩までは予定時間を上回るペースだった。大岩からロープがなくなったが、相変わらず勾配のきつさはあまり変わらない。ツツジ、タムシバ、カタクリなどがきれいに花を咲かせているが、ゆっくり鑑賞している心の余裕がない。
 稜線に近づくと雪が現れ、稜線に立つと目指す笈ヶ岳方面が見えてきた。まだはるかかなたである。ひたすら雪の上を歩くが、時々藪が現れ行く手を遮る。特に冬瓜山頂上への取り掛かりの崖と両側が切れ落ちている岩の刀渡りのところはスリル満点だった。冬瓜山を下りた地点でアイゼンをつける。大きな雪庇が数か所あって慎重に歩く。
 あたりはガスにおおわれ周りが全く見えず、ただ足跡をたどるばかり。アップダウンが続き気がめいる。小笈(こおいずる)と思われる急登をっていくと本格的な雨になり、さらにみじめな気分になる。下山する人に「あとどのくらいですか」と聞くのは相当ばてている証拠だ。小さな薮を抜けると思いがけず頂上に出た。周りが全く見えないのが残念であるが、もうこれ以上登らなくてもいいと言う安ど感のほうが強い。雨の中昼食を食べる。手袋を脱ぐと手がかじかんでくる。
 帰りは「元来た道を引き返さなければならないだろうな」と半ば覚悟していたが、冬瓜平へ降りるトレースを発見して、どちらをとるか思案する。S先生の決断で冬瓜平へ降りることにした。雪渓をトラバースする道は滑ったらどこまでも落ちてしまいそうで怖かった。冬瓜平にはテントがひと張あった。その夫婦も自然保護センターの方から登ってきたそうで、かつては主流であった中宮スキー場から登ってくる人はいないようだ。行きほど苦労せず登りの道と合流することができ、結果的にはこのコースが正解であった。 膝をがくがくいわせながら何とか駐車場に戻ってきたのは6時少し前。僕以外の人は今年初めての登山であり、さぞかし大変なことだっただろう。