日本200名山 NO.92     佐武流山2192m)    

          平成20年
10月25日(土)曇り一時晴れ
  ドロノキ平(5:55)→林道分岐(7:10)→登山道入口(7:25〜30)
  →檜俣川出合(7:40)→物思平(8:35)→ワルサ峰(9:40〜45)
  →西赤沢源頭(10:25)→佐武流山(11:30〜12:00)→西赤沢源頭
  (12:45)→ワルサ峰(13:15〜20)→物思平(14:10)→
  檜俣川出合(14:50)→登山道入口(15:10)→林道分岐(15:40)
  →ドロノキ平(16:30)

秋山郷の紅葉

苗場山に登って以来2度目の秋山郷である。里はまさに紅葉の季節で10月最後の連休を楽しむ観光客が多く、細い道路に観光バスが右往左往している。終わりかけとはいえ、さすが秋山郷の紅葉はスケールが大きく、行けども行けども紅葉の山が続く。ずっと降っていた雨は秋山郷に入ったとたんに止み、太陽が輝きだした。紅葉は太陽が当たるのと当たらないとでは大違いで、くすんだ赤がはっきりとしたあざやかな赤に変わる。
 今回は長く険しい山なので慎重にならざるを得ず、まずは2つの山の登山口の確認をした。佐武流山のドロノキ平登山口は国道の終点近くの脇にすぐに見つかった。そこから切明(きりあけ)温泉に降りて橋を渡った先にある駐車場を確認し、2時半頃ドロノキ平近くの少し広くなった道路脇に車を止める。
 翌朝5時半頃には車が3,4台止まり、これからの山登りに気持ちが高ぶっているのか高揚した声が響いている。夜が明けると同時に、4人のグループの後から歩き始めた。カラマツの黄色は今が最盛期だ。ゆるやかで気持ちのよい道を歩いていくと林道に出る。この林道歩きが長かったが、飽きる頃右手の登山道から一気に沢に降りる。檜俣(ひのまた)川は幸い靴を脱ぐことなくロープ伝いに渡ることができた。
 そこからの急登は半端ではなかった。落ち葉が滑りやすく隠れていた木の根につまずいたりする。やっとの思いで少し傾斜が緩やかな広場に着くとそこが「物思平」だった。誰でもがここで休みたくなる魅力的なネーミングである。ワルサ峰までは比較的ゆるやかなウップダウンが続くが、昨日の雨で相当ぬかるんでいる。
 ワルサ峰に着くと展望も開けほっとする。濃いガスの上に平らな頂上部を持つ苗場山が見えている。角度が良いのか草紅葉まではっきり見える。先にはいくつかの小さな峰が連なっている。西赤沢源頭で苗場山に続く道を左に分けると目指す佐武流山の頂上部が顔を出してくる。右手にの林の間にきれいな山頂部の山並みが見えてくる。昨年の今頃登った白砂山である。
 あっけなく頂上に着いてしまった感じである。すぐお湯を沸かしラーメンを食べる。この季節温かいものがおいしい。20分ほどして檜俣川の所で追い越したグループがやってきて頂上で握手をしあっている。思わず仲間に入りたい衝動に駆られた。東側が開けているがほとんどガスにおおわれている。「あれが皇海山だ」と言う声でその方角に目をやると端正な山頂部がガスの上に見えている。
 ちょうど12時に下山を開始する。頂上まで伸ばした糸をゆっくり巻いて帰るのだ。「物思平」まで割と順調に下っていたが、そこからの急坂を降りるのは一苦労。滑って何度もしりもちをつき、足もがくがくいいだした。行くときは何とも思わなかった林道歩きが膝にこたえ、最後の山道は気力で駆け下り日が暮れるぎりぎりの所で車に着くことができた。僕より後の人たちはヘッドランプを使うことになるであろう。
 切明温泉にゆっくりつかり、念入りにマッサージをした。食堂はとっくに閉まっていたので、外でインスタントのカレーを作った。カレーを食べながら、1つ目的を達成した安堵感で一杯だった。