日本200名山 NO.14        釈迦ヶ岳(1800m)

               平成16年4月4日(日) 時々雨

  駐車スペース(5:40)→登山口(7:05〜10)→尾根出合(7:45)→古田の森
  (8:20)→千丈平(8:45)→頂上(9:05〜20)→千丈平(9:35)→古田の森
  (9:55)→尾根出合(10:25)→登山口(10:55)→駐車スペース(12:05)

 のどかな田舎の道を通ると、桜の花は満開で、村の神社の祭礼があったりしていてとても懐かしい光景だ。大塔温泉「夢乃湯」で一風呂浴びて、旭ダムを目指す。通行止めの林道を遠慮がちに入れさせてもらい、件の土砂崩れの現場まで車ではいる。急ピッチで復旧がなされているようだ。 橋のたもとのスペースに車を止めて寝る。
 夜中に起きると雨が降っていた。4時頃目が覚めてからは寝られなくなってしまい、今日の行動の事を考えていた。雨の中を歩く気はしなかった。少し明るくなってきたので帰る決断をして車を走らせると、雨は止んでいた。おまけに山の稜線がはっきり見えてきた。また引き返し、登ることにした。
 登山口まではよけいな歩きだ。舗装をしてある立派な道路を歩くのはなんとなく損をしたような気になる。しかも1時間半は相当の長さだ。
 ようやく登山口にたどり着くと「熊出没注意!」の看板が。鈴を忘れたのが悔やまれるが、仕方がない。こんなときは「人間ラジオ」になるしかない。真っ暗な杉林はさすがに気持ちが悪く、ラジオのボリュームも大きくなる。
 尾根出合を過ぎるとようやく傾斜も緩やかになってきた。しかし、雨が激しくなってきたので雨具をつける。もう、あたりは乳白色の世界だ。だんだん雪渓が多くなってきて、美しい自然林の「古田の森」を過ぎれば、冬山の世界である。
 「千丈平」はキャンプに適した気持ちの良い広場である。ただ、不思議に思ったのは背が高くて目の粗い塀が巡らされていることだ。目隠しや動物を防ぐには貧弱すぎる。
 奧駈道と道を、合わせれば頂上はあっという間だ。頂上には大きな銅の釈迦像が立っている。「大正13年7月建立」と書いてある。分解して持ち上げたにしろ、ここまで運ぶのは大変だっただろう。やはり、周りは真っ白だ。誰もいず、聞こえるのは風の音だけだ。
 帰りは自然に足が速くなる。雨はみぞれになり、一人でこんなところを歩いている自分が惨めに思えてきた。「もし遭難したらだれが見つけてくれるのだろう。雨で土砂崩れが起きて車が埋まっていたらどうしよう。」などと悪い方にばかり考えが行ってしまった。
 無事車に乗って、「旭ダム」のトイレで着替えをして濡れたものを脱いだら、ようやく心が落ち着いた。