日本200名山 NO.69       七面山(1982m)    

                 
平成19年5月3日(木)  晴れ
  七面山登山口(7:00)→肝心坊(7:45)→中適坊(8:20)→晴雲坊
    (9:10〜15)→敬慎院(10:05)→七面山(10:55〜11:20)→敬慎院
    (11:50)→晴雲坊(12:25〜30)→中適坊(13:00〜05)→肝心坊
    (13:25〜13:30)→七面山登山口(14:00)

敬慎院
 櫛形山に登ったとき宿を取った南アルプス市に再び泊まった。前回も迷ったが、今回も同じ所に迷い込んでしまった。人間の既視感も捨てたものじゃなく、当時のことがまざまざと思い出された。

 1時間ほど走ると登山口に着いた。途中白装束の一団が列をなしており、車が来るとさっと脇によけて例をしてくれる。礼儀正しさにいたく感激してしまった。
 山道にはいると歴史を感じさせる大きな杉並木が現れ、参詣者の「なんみょうーほうれんげーきょう」という独特の節回しの念仏があたりにこだましている。朝早く出発したからか、最初の休憩地である肝心坊までに二つの団体を追い抜いてからは静かな山歩きとなり、念仏の代わりにウグイスのさえずりが大きくなってきた。木々の間からひとかたまりの部落が見える。交通が発達していない頃はきっと行き来が大変だっただろう。
 同行の若島さんが途中から見えなくなった。途中で追い抜いたのかと心配したが、敬慎院に僕より30分も前に着いて待っていてくれた。何でも男の子と歩いていたら、その子の足が速く、どんどん先になってしまったらしい。
 立派な山門をくぐると長い坂道になり敬慎院の境内に入る。敬慎院は日蓮宗の霊場として知られ、全国から参詣者が訪れる。僕の姉夫婦も数年前に登り、とてもつらかった話を聞いていた。確かにほとんど階段が続き、山登りの経験がない人にはつらいだろうが、だからこそ連帯感も生まれるのだろう。小さい子供やお年寄りが家族の励ましで登っていく様子に目頭が熱くなりさえした。
 左に折れれば展望台があるが、あいにく富士山は見えない。そこから頂上までは思ったより時間がかかった。しかも頂上は木立に囲まれており、展望は全くない。高度が上がるにつれて温度が下がってきたが、そこだけは日溜まりとなっていてぽかぽかして温かかった。
 帰りにナナイタガレ(大崩れ)を見た。すごい勢いで崩壊している様子が手に取るようにわかった。重要文化財となっている山門をくぐって階段を下りてみた。立派な敬慎院といくつかの宿坊がある。丁度団体が入ってくる所だった。「ご苦労様でした」とか「ご迷惑をおかけしました」と言う言葉がかかる。何とも清々しかった。