日本200名山 NO.74      帝釈山(2060m)    

              
平成19年7月16日(月)  曇り時々晴れ
  猿倉登山口(7:10)→田代山(8:10〜20)→弘法大師堂(8:55)
  →帝釈山(10:10〜20)→弘法大師堂(10:30)→田代山(11:00)
   →猿倉登山口(11:35)
 

田代山湿原
 荒沢山に登るつもりで登山口近くの銀山平温泉「村杉」に泊まった。ご主人や奥さんから山にまつわる話や熊狩りの話等も聞けてアットホームな良い宿だった。ただ、下山者の10時間かかったとか鎖場が怖かったという話を聞いて、天候の安定しない今頃は避けるべきだと思った。そこで、行き先を帝釈山に変更した。
 早朝5時前に宿を出発し、3時間かけて猿倉登山口に着く。一度通り抜けたことはあるが、奥只見湖沿いの一車線の道は気が遠くなるほど長い。
 「田代山登山口」と書かれた大きな案内板の前を通り、沢を渡って山道に入る。昨日来の雨で足下がぬかるんでいる。ジグザグの急登が続き、息が上がる。田代山までの500メートルごとの表示に励まされて小田代の小さな湿原に出る。コバイケイソウは今が盛りだ。見上げれば田代山の稜線が、折から出てきた太陽に照らされている。
 再び急登を行けば、広々とした湿原に飛び出す。山上の湿原はいろいろ見てきたが、規模では苗場山に匹敵するのではないだろうか。一方通行の木道が湿原を貫いている。ここでの主役はコバイケイソウ、ニッコウキスゲ、ワタスゲである。ただワタスゲは前日までの雨で固まってしまっていて、ふわっとした感じがない。湿原の中央あたりに「田代山山頂」の標識が立っている。山頂のイメージは山の最高部なので、平らな山頂はとても違和感があった。
 目指す帝釈山は樹林帯の中をいったん下って登り返さなくてはならない。足下はいよいよ柔らかくなり、田圃の中を歩くような場所も何カ所かあった。苦労した割にはあっけない頂上だった。おまけに視界がない。下を見ると檜枝岐村からの林道が見える。
 戻って、昼食は田代山湿原の木道が行き止まりになった所で食べる。ここなら誰にも迷惑にならない。宿で作ってもらったコシヒカリのおにぎりはボリュームがあり、とてもおいしかった。
 帰りはとても早かった。あと1時間近くはあると思っていたのに車が見えてきて、自分でも信じられなかった。
 実は今回の山行きには大変なおまけがついていて、その日の午前中に「新潟県中越沖地震」が発生していたのだ。北陸高速道路の長岡ジャンクション・上越間が不通になり、やむなく一番被害が大きかった柏崎市や刈羽村を通らなければならなかった。倒壊した家々や塀、段差や亀裂の入った道路などを目の当たりにして、地震の怖さをひしひしと感じた。上越からスムーズに高速に乗ることができ、12時前には家に着くことができた。