日本200名山 NO.26  高千穂峰(1574m)  
      NO.27  桜島(1117m)

                         平成17年3月25日   晴れ

   高千穂河原駐車場(11:00)→火口縁(11:50)→頂上(12:30〜35)→
   昼食(13:15〜25)→高千穂河原駐車場(13:40)
 大阪南港からフェリーで宮崎に着く。一晩フェリーで寝たらもう九州。両側にソテツの植えられた宮崎自動車道を走ると「ああ南国だ」と感じる。今回からはナビゲーションという強い味方がいる。もっとも8年前のナビなので、あまり信用もできないが。
 高原ICで降りて、高千穂峰をぐるぐる巻いて霧島神宮を通り、高千穂河原の登り口に着く。シーズンオフだからか、広い駐車場には数台の車しか止まっていない。これでは駐車料を徴収する人の日当も出ないであろう。
 大きな鳥居をくぐって出発だ。昨夜降った新雪がうっすらと積もっている。青空に葉のない白い小枝が美しい。だんだん赤茶けた火山レキになり、林を抜けると一気に視界が開けてきた。途中で会った夫婦は「あまりにも風が強いので引き返してきた」とのこと。その時はどれくらいの風の強さか実感できず、失礼にも「なんと軟弱な」と思ってしまった。
 御鉢の縁に出ると、その強さと寒さが理解できた。円錐形にえぐられた火口から一筋の噴煙が立ち昇っていた。火口の縁に囲まれているせいか、あまり揺らいでいる様子はない。風の強さもさることながら、風の冷たさにまいってしまう。そこで大きな岩陰で雨具の上下をつけた。ゴアテックスの雨具は防寒にも威力を発揮する事がわかった。もしこの雨具を携帯していなかったら、先ほどの夫婦のように登山を諦めざるをえなかっただろう。
 御鉢を三分の一ほど廻ると一旦下り、いよいよ高千穂峰に取り着く。ことのほか大きく高く見え、一瞬気分が萎える。残っている潅木には雪が張り付いており、白い花が咲いているように見える。
 がれた滑りやすい火山レキの道を一歩一歩足を進めれば、思いのほか早く頂上に着いてしまった。頂上の木の柵にはエビの尻尾がびっしりと着いている。見晴らしは最高だった。中岳や韓国岳が手にとるように見える。しかし、あまりの寒さに写真をとるのも忘れて下山してしまう。
 1時半過ぎに下山した後は、一路桜島を目指す。地図でしか知らなかった町を、自分の運転で走るのはとても楽しい。白い花が咲き乱れていて「とてもきれだな」と思っていたものは、よくみると柑橘類にかけてある白い袋だった。
 この山は登山禁止なので、湯乃平展望所まで行き、2階の展望台から桜島を眺める。海に浮かんでいる櫻島よりずっと荒々しく、孤高の岩山に見えた。展望台を一周すると、眼下には鹿児島湾(錦江湾)が広がっており、鹿児島の街が逆光でかすんでいる。湾の奥の方に目を転じれば、さっき登ってきたばかりの高千穂峰がツンと空を突いていた。