日本200名山 NO.59    天塩岳(1558m)    

            
平成18年8月9日(水)   晴れ
  天塩岳ヒュッテ(5:55)→連絡路分岐(6:20)→旧道分岐(6:40)→前天塩岳
    (8:55)→天塩岳(9:50〜10:15)→避難小屋(10:45〜50)→新道分岐
    (12:00)→連絡路分岐(12:25〜30)→天塩岳ヒュッテ(12:55)
前天塩岳から見た天塩岳
 夕方天塩岳ヒュッテに着いたが誰もいない。しかも、登山道の入口には「登山道内に熊の形跡が見受けられます」という嫌な看板が。電話をしたかったこともあったので、電話の通じる所まで戻り、ダムの駐車場で寝る。トイレの横に電光の寒暖計が付いているが、暗くなっても20℃を下回らない。台風の影響かも知れない。

 天塩岳ヒュッテに戻り朝食を食べていると、夫婦がやってきたので何となく安心する。この後ずっと、僕が先になりすぐ夫婦が追いかけてくるというパターンになった。登山道は昔の林道であり、どこまで行っても続いていた。木の切り出しが盛んな時代があったのだろうか。
 ようやく山道にはいると、それは前天塩岳の急な登りであった。高度を上げるにつれて、木々の間から西天塩岳の穏やかなスカイラインが見えてくる。道はやがて前天塩岳の頂上へ行くのと頂上は踏まずに直接天塩岳に行く道とに分かれる。もちろん頂上を目指したが、石のごろごろした道は歩きにくく、「もう少し、もう少し」自分を励ます。青空が見えているので、勝手にもう少しと思いこんでいるのだが、何度も裏切られて余計に疲れる。
 息が苦しく、やっと着いた頂上でしばらくへたり込んでいた。しかし、展望は申し分なかった。眼前に堂々とした天塩岳がそびえ、西天塩岳の方へゆるやかな縦走路が伸びている。
 天塩岳の登りはかなり手強そうだったが、実際に登ってみると思ったより穏やかな斜面だった。頂上直下にはニッコウキスゲがきれいな花を咲かせていた。頂上には立派な御影石の標柱が建っており、無数の赤とんぼが舞っていた。ただ残念ながら、余り遠くまでは見渡せなかった。
 避難小屋までも手入れの行き届いた立派な道が続いているが、今日付けられたばかりの足跡が点々と続いている。熊を追って歩いているのかと思うと緊張し、一段と大きくベルを鳴らした。しかし、少し冷静になるとそれは2本の爪であり、鹿だと推測された。
 避難小屋から前方を見ると、何か黒いものが見える。さっそく双眼鏡を出して確かめる。熊では無いようだ。心に少し恐怖心があると、何でも熊に見えてしまうらしい。丸山を過ぎればもう一気に下ってしまう。
 昨日と今日の帰り「協和温泉」という温泉に入る。田圃の中にあるのんびりした温泉で、400円と安いのもいい。