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鳥甲山の頂上部 |
昨日10時間歩いたので膝が心配だったが、温泉の効果か何とか行けそうで安心したが、ガイドブックに「初心者や体力に自信のない人は入山不可」と書いてあり、少しびびる。 昨日に続き夜明けと共に歩き出す。いきなりの急登だ。落ち葉が深く山道を埋め尽くしている。右手に鳥甲の山稜が見えてきているが、鳥甲山は陰になって見えない。
道はだんだんやせ尾根になっていき、右側下には秋山郷の山に囲まれた家々が臨まれる。出発した駐車場もだんだん遠くなっていく。1437m地点を過ぎると岩場に出る。とりつきの足場が悪くヒヤヒヤした。同時にこんな岩場が続いたのではたまったものではないと、少し弱気になる。しかし結果的には岩場はそこだけでそんなに怖がる必要はなかったのだ。
急登を登り、ひとつ山を越すとまたひとつが現れ、白ー(しろくら)までは辛抱のしどころであった。白ーからは稜線伝いに鳥甲山の本峰を目指すが、人が通れるだけの幅しかないやせ尾根やロープを使わなければならない急坂が次から次へと現れ、スリル満点であった。ただ、最近つけられたと思われる鎖の手すりが要所要所にあったので、それほどの危険性は感じなかった。左手に志賀高原の山々やスキー場のゲレンデが見えてきた。意外と近い。最後の山をひと登りすればそこが鳥甲山の頂上だった。
木々に囲まれて頂上からの展望はあまりないが、昨日登った佐武流山と右後ろに白砂山が見えた。昨日の今頃はあそこにいたんだと思うと、つい感慨にふけってしまう。この2日間よく頑張ったものだ。
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頂上から見た佐武流山 |
下りに事故が多いので気をつけなければならないのだが、やはり一仕事終えた気分でほっとする。白ーを過ぎてからのやせ尾根は、行きとは違って極楽である。登りは足元ばかり見ていて美しい景色に目がいかないものだが、下りは大パノラマを独り占めしながら歩いている気分になる。目の前の180度遮るものはひとつもない。眼下に広がる秋山郷、正面にある佐武流山や苗場山を始めとする山々。ハングライダーで飛ぶときっとこんな景色なんだろうと思う。あやうく飛んでしまいそうな気分になるのが怖い。
頭の中で考えていた予想到着時間よりかなり早く駐車場に戻ってきた。林道秋山線を縦走した場合の到着点である屋敷部落まで走ってみた。紅葉の美しさは筆舌につくしがたく、誰かと一緒でないのが悔やまれるほどであった。ぜひ家族と来てみたいが、あまりにも遠い。志賀高原の方の上信越自動車道に出るか、来たときと同じように北陸道の上越ICに向かうか少し迷ったが、同じような距離だったので北陸道へ向かった。家には8時頃着き、約6時間のドライブであった。
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