200名山 No.78        夕張岳(1668m)

                     
平成19年8月9日(木) 
  林道ゲート(9:30)→ひやみず冷水の沢(10:30)→馬の背コース分岐(10:45)→
  望岳台(11:20)→ひょうたん池(12:10)→吹き通し(12:45)→夕張岳
  (13:05〜25)→吹き通し(13:35)→ひょうたん池(13:55)→望岳台
  (14:30)→馬の背コース分岐(14:55)→ひやみず冷水の沢(15:05)→
  林道ゲート(15:45)
 夜雨が降り、天気予報も良くないので今日の登山は中止することにしてのんびり構えていたら、空がだんだん明るくなってきた。それでいてもたってもいられなくなり、とにかく登山口まで行ってみることにした。昨年見過ごした国道からの分岐もすぐにわかったが、登山口までのダートと予想以上に長かった。駐車場には車が1台止まっていた。
 心が急いていたからか、歩き出してからストックとベルを忘れたのに気づいた。少し迷ったが熊のことを考えると少し不安だったし、15分くらいのロスなので又車の所まで戻った。ひやみず冷水の沢は少しにごっていたが、あまりののどの渇きについごくごく飲んでしまった。
 望岳台に着くと一組の夫婦がいた。奥さんはかなり疲れているようで「もうここまでにしよう」と言っている。望岳台からは昨年登った芦別岳が見えるそうだが、今日は真っ白の世界だ。
 そこから、両側に灌木が生い茂った歩きにくい道になる。雨は降っていないが昨夜来の雨で木々が濡れているので、ずぶぬれになってしまった。木道が現れるといよいよ前岳湿原に入る。様々な花が咲き乱れている。花だけは天気に左右されず美しい。高低差が少ないのでどんどん距離をかせげる。
 吹き通しと呼ばれる所は文字通り風の通り道になっていて、すごい風量だった。木が一本も生えていず砂礫の中に高山植物が身を寄せるように咲いていた。最後のひと登りで頂上直下の祠のある場所に出た。頂上はあまりにも風がきつく、寒くていられないのでまた祠の所に戻って昼食にした。
 帰りはただ怪我をしないことだけに気をつけて一目散に下山する。誰もいない山に一人ではいっているかと思うとかなり心細い。馬の背コースから下りようと思っていたのに、結局勝手を知っているひやみず冷水コースを戻ったのもそういうわけだ。
 自分の車が見えてきてホッとしたのは言うまでもない。濡れた衣類を着替えてさっぱりしたところでいざ出発という段になって、とんでもないことが起きた。エンジンはかかるのだがギアが入らないのだ。おまけに少し傾斜がありブレーキをかけないとどんどん進んでいってしまう。しかもその先は崖になっているのだ。「国道まで戻って助けを求めに行かないとだめだろう」と覚悟を決めて20キロの林道を歩き始めると、ラッキーなことに下の駐車場に長野ナンバーの軽自動車が止まっていた。危なくないところまでロープで車を引っ張ってもらい、近くの自動車整備工場まで乗せてもらった。地獄で仏とはこのことで本当に助かった。レッカー車で登山口まで戻って車を工場まで運んでもらったら9時をまわっていた。
 工場の駐車場に寝て、翌日は事務所でずっと車が直るのを待っていた。林道のがたがた道で車の下をこすってひびが入り、駐車している間にギアのオイルが抜けてしまいシフトがきかなくなってしまったらしい。幸い部品もあり、夕方5時頃ようやく直った。帯広に移動中「ひだか高原荘」で湯につかって、やっと生き返った心地がした。