日本300名山 No.98   朝日岳(1945m) 

             平成29年
9月3日(日)晴れ

  駐車場(5:40)→松ノ木沢頭(7:50)→白毛門(8:40~45)→笠ヶ岳(9:45~50)
  → 朝日岳(11:15~35)→笠ヶ岳(12:55~13:00)→白毛門(14:00~05)
  →松ノ木沢頭(14:50~55)→駐車場(16:45)

いよいよ300名山最後の山だ(登山禁止の焼山と景鶴山を除く)。前日、海老名に住む娘に届けるものがたくさんあったので東名を走り、圏央道を経由して、関越道の赤城高原SAで泊まる。
 目を覚ますと、空が異常なほど青い。こんなに青い空を見たのは初めてだった。5時過ぎ車を走らせる。出発起点の駐車場にはすでにかなりの車が止まっている。朝日岳から谷川岳方面に縦走する人も多いのだろう。駐車場を抜けて、東黒沢にかかる橋を渡れば登山道だ。「朝日岳・

 
笠ヶ岳

(しら)毛門(がもん)」のサインがあり安心する。一番恐れているのは道間違いだからだ。
 いきなり最初からブナ林の中の急登だ。ほぼ直登の道は、まだ慣れていない体にこたえる。道端に、真っ赤な笠をもつキノコが生えていた。童話にでも出てきそうなかわいいキノコだ。尾根に出ても深い樹林におおわれ、岩混じりの道は歩きにくい。ヒヤッととするような岩場を越えれば松ノ木沢頭に出る。そこから一気に視界が開け、前方雄大な景色が広がっている。高山植物もちらほら現れてくる。
(しら)毛門(がもん)の岩混じりの頂上部がだんだん迫ってくる。ガレ場や鎖場を慎重に越えれば白毛門山頂に出る。若者が3人休んでいた。松ノ木沢頭の方へ降りて行った所を見ると、早朝小屋を出発したのだろう。
 実はこの長い行程の中で、白毛門付近から見る笠ヶ岳の景色が一番気に入っている。緑のササでおおわれた均整のとれた三角錐の山は品があり、この山が300名山でもいいのではとさえ思った。ササは強い風が吹くと裏返り、次々と流れていくさざ波のように見える。笠ヶ岳の頂上から歩いてきた方を見ると、馬の背のように見える山並みに一本の白い線が見える。反対側にはすぐ近くにかまぼこ型の避難小屋が見え、その先は強い風にあおられて、湧き出すガスが左から右に流れている。
 朝日岳はまだ見えてこない。小鳥帽子、大鳥帽子と呼ばれる峰を越えて行くと、ようやく少し平らになった朝日岳の山頂部が見えてくる。しかし、それからもアップダウンを繰り返し、なかなか頂上は近づいてくれない。途中で会った夫婦は「まだ遠いので、今日はあきらめて引き返します。」とお弁当を食べていた。
 大きな岩を回り込むと、ようやく頂上に立てた。頂上を示す標柱の横で、小さな地蔵が手を合わせている。風が強く冷たいので、小さな祠の下で身を寄せながら昼食を食べる。眼下に池塘が点在する朝日ヶ原湿原が広がっていたが、さすがに降りてみる気にはならない。
 帰路は足をかばいながらゆっくり降りたせいもあるが、結局往復で11時間もかかってしまった。300名山を成し遂げたという感慨はあまりない。しかし完登にはいろんな人(特に家内)の協力、自分の体力、そしてチャンスに恵まれたこそのものだ。無事終えられたことに感謝あるのみだ。


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