日本300名山 No.89 アサヨ峰(2799m)
 
         
                                            
平成28年8月25日(木)晴れ    

   北沢峠(6:50)→北沢駒仙小屋(7:00)→栗沢山(9:20~30)→アサヨ峰
  (10:50~11:15)→栗沢山(12:15~25)→北沢駒仙小屋(14:20)
  →北沢峠(14:35)

 北沢峠は広河原から行くものとばかり思い、早川尾根小屋で一泊しなければならないと覚悟を決めていたが、その後伊那側の仙流荘から一番バスに乗れば日帰りが可能なことがわかった。それで、前日に仙流荘の駐車場に入っ
 甲斐駒ヶ岳
ておいた。3時ごろから車が入りだし、5時ごろには満杯となり、それ以降に着いた人は下の駐車場に入らなければならなかった。
 平日だというのにバスは3台出た。所が、北沢峠に着いて仙水峠に向かったのは数人。北沢駒仙小屋の前から栗沢山に向かう登山道に入ったのは僕一人だった。ほとんどの登山者は、北沢峠から甲斐駒ヶ岳か仙丈ヶ岳を目指していたのだ。
 シラビソの林の中の単調な道だ。日光が直接当たらなくて涼しく感じるのはいいが、根が張った所や石がごろごろした急勾配の道は結構体に応える。ヨーロッパの疲れが残っているのだろうか。栗沢山のガレ場近くの林の間から、甲斐駒ヶ岳の頂上部が雲海から顔を出していた。思いがけない景色が飛び込んできて、大感激の瞬間だった。
 木々は低くなり、大きな岩が現れてきた。下から見るとそれが一番高く見えたが、栗沢山の頂上までさらに高い岩場が続いていた。遠く三角錐の端正な山とアサヨ峰らしき岩峰が見えていたが、いつしかガスの中に隠れてしまっていた。栗沢山で今日初めて会った、早川尾根小屋から来た人がさっき見えていたのが北岳だと教えてくれた。こうなるときれいに見えていたときにビデオで撮らなかったことが悔やまれる。
 ここからアサヨ峰までが厳しかった。8割は岩の上を歩かなくてはいけないし、途中でどうしても手がかりがなく、非常に恐怖を感じた所もあった。あそこはどうしてもチェーンが欲しい。アサヨ峰に近づくと急傾斜の岩場になり、ストックは置いて行かざるをえなかった。2,3回ニセの頂上に騙されてようやく標識の立つ本物の頂上に到達した。しかしあたりは真っ白で見晴しは全くなかったのは残念だった。
 帰りは無理をせずゆっくり歩いたが、シラビソの林に入ると両膝が痛くなった。勢いよく足を下ろすせいか、頭まで痛くなった。ようやくバス停に着いたのは2時35分。待合室のベンチに番号が打ってあり、早く来た人から順番に座ることになっている。そしてバスには番号順に乗車する。これは実にいいシステムだ。3時発のバスが10分前に出発してしまった。もう乗る人がいないのか心配になってしまった。
 バスに乗ると、急に雨が降ってきた。グッドタイミングだ。土手には花がいっぱい咲いており、運転手が名前を教えてくれる。終点に着くころに大きな虹が現れた。上半分がきちんと見えるこんなに大きな虹を見たのは初めてのことだった。

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