日本300名山 No.35     大門山(だいもんざん)1572) 
赤魔(あかま)()古山(こやま)()越山(こしやま)・奈良岳

    
平成23年11月4日(金)晴れ

  ブナオ峠(7:30)→分岐点(8:45)→大門山(9:00〜05)→赤魔木古山
 (9:40〜45)→見越山(11:15〜25)→奈良岳(11:55〜12:25)
  →見越山(13:00〜05)→赤魔木古山(14:40〜45)→分岐点(15:10)
  →ブナオ峠(16:00)

 福井を5時過ぎに出たが、2時間で五箇山ICに着いてしまう。ブナオ峠の入り口はすぐわかったが、林道の10キロは長く感じる。カーブが多く、スピードを出せないからだ。しかし林道沿いは紅葉がきれいで、朝日に輝いている。林道の途中に車止めがあり、そこがブナオ峠だった。
 名前のとおりブナの林の中を歩く。登山道には落ち葉が厚く積もっておりふかふかする。でも時々階段まで隠してしまうので気をつけないといけない。振り返れば猿ヶ山に続く稜線が見えている。なかなか立派な山容だ。その右手の山々は山と山の間をガスに埋め尽くされて、海に浮かんだ島に見える。ナナカマドの赤い実が青空をバックに鮮やかな色を出している。右手の林の間からは大門岳が見え隠れしている。
 最後の階段の急登を登れば大門岳への分岐点に着く。そこには頂上まで0.4キロを指す標識が立っていた。いったん下って登り返せばすぐ頂上だった。遠くにかすんでいるのは御嶽山であろう。猿ヶ山へ続く稜線の山容は相変わらず堂々としていて、高山の雰囲気をかもし出している。目を転じれば一段と高くそびえる大笠山、その左手に小さな三角形の頂上を持つ笈ヶ岳、その裏には白山の一部が見えている。
 分岐点まで引き返し、赤魔木古山を目指す。前方にこんもりとした峰が見える。ベンチや方位版がある小さな広場が赤魔木古山の頂上である。ここからは笈ヶ岳の後ろの白山の4つの峰もはっきり見える。剱岳も意外な方向に姿を現している。頂上からの眺めは抜群であったが先が長いのでゆっくりする間もなく先を急ぐ。
 急な階段でどんどん下っていくとタメ平という鞍部に着き、さらにアップダウンを繰り返す。見越山と奈良岳がだんだん近づいてくる。見越山の手前には3つの峰が見えており先が思いやられる。眼下にはまだ残っている紅葉があざやかな橙色を見せている。やがて道は岩の上を歩くようになり勾配が増してくる。最後の階段では苦しさ紛れに大声を出したら、頂上で昼食を食べている人がいてちょっと気はづかしかった。彼はもうここから引き返すということだった。
 奈良岳への縦走路はいきなりの急勾配。登り返しはそれほど傾斜はきつくなかったのに苦しくばてそうだった。見越山までの登山でかなり体力が消耗してしまっていたのだろう。頂上部は意外となだらかで、「もうすこし」が長かった。頂上に着いて「もう登らなくてもいい、ここが最後だ」と思うととてもうれしかった。前から気づいていたのだが、カップヌードルを持ってきたが、水を忘れていた。仕方がなくお茶を沸かして食べたが、それほどまずくは感じなかった。以前ポカリスエットでラーメンをした時、まずいのを我慢して食べた苦い思い出があった。頂上からは
奈良岳(左)と見越山(右)
今日の行程の全貌が見えた。ここまで歩いてきたのだと思うと感慨もひとしおだった。
 
帰りは慎重に往路をたどっていったが、途中で何回か足をつりそうになった。こんなことは久しくなかったことだ。大門山への分岐近くの山の中で人の話し声が聞こえドキッとしたが、作業員が何かを設置しているようだった。気になったが、結局わからずじまいだった。