日本300名山 No.73   五葉山1351) 
             
                                   平成27年10月18日(日)晴れ 
 

   赤坂駐車場(6:05)→賽の河原(6:35)→畳石(6:55)→しゃくなげ荘
  (7:45~50)→五葉山(8:05~25)→しゃくなげ荘(8:35)→畳石
  (9:10)→賽の河原(9:25)→赤坂駐車場(9:45)

 登山口の赤坂峠は大船渡市と釜石市の境にある。それらの名前は東日本大震災の時によく耳にした名前で、どうしても当時のことを思い出してしまう。前日の午後駐車場に着いたが、広い駐車場はほぼ満杯であった。この山が市民の山として人気のあることがわかる。
 今日も先頭を切って登る。登山口に大きな鳥居があるが、道は左手につけられている。広くて歩きやすい。太陽を背にしているので、背中がほかほかと暖かい。左手に雲海が広がり、突き出した山の頭が島のように見える。見上げれば紅葉の奥に五葉山の頂上部が顔を出している。ほどなくして3合目の「賽の河原」と言われる所に出る。石がごろごろとした広場であるが、朝日に照らされた紅葉とまだ日の当たらない賽の河原が絶妙のコントラストを成していた。
 4合目の「畳石」には平たい石がいくつも並んでいる。ベンチや水場もあり、休憩にはもってこいの場所だ。鳥居をくぐると本格的な登りになるが、紅葉が美しくつらさを忘れる。木は真っ白なダケカンバに変わると、そのあたりで紅葉は終わりだ。山の表面をおおう笹の緑が白い幹と好対照だ。
 鉄の屋根が朽ちかけた赤い小さな祠の
(さん)(のう)神社前を通り過ぎればしゃくなげ荘の赤い屋根が見えてくる。小屋は無人だが立派な造りだ。階段下には大量の薪が積んであり、冬も登山者が多そうだ。ベランダに立てば大船渡の港やリアス式の海岸線が見える。小屋前の水場で顔を洗い頂上に向かう。それにしてもこのあたりからシャクナゲが多い。花が満開であればどれほどきれいなことだろうか。道は緩やかになり、日枝(ひえだ)神社の大きな鳥居が見えてくる。頑丈そうな石垣に囲まれて小さな祠がある。その横が大きな石のガレ場になっていて見晴しもいいので、てっきり頂上だと思っていたが、頂上は平坦地をさらに右に進まなければならなかった。
 頂上を示す標柱は傾いていて、雪の多さが想像される。北側に意外なほど近くに早池峰山が見える。西に目をやれば雲海の向こうに焼石岳、栗駒山などが見え、南には室根山が雲海から頭を突き出している。そして東には太平洋が太陽に耀いていた。

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