日本300名山 No.92   鉢盛山(2447m) 

               
平成28年10月21日(金)晴れ  

   新登山口(7:15)→村界尾根(8:35~40)→鉢盛坂新道(9:40)→権現の庭
  (9:40)→鉢盛山(9:50~10:15)→権現の庭(10:20)→鉢盛坂新道
  (10:40)→村界尾根(11:00)→新登山口(11:55)

 鉢盛山は登山が禁止されていると思っていたが、新道ができて登ることができることが分かった。しかし朝日村の役場で「入山ゲート通行許可証」とゲートのカギをもらわなければならない。カギの入った封筒には立派な「鉢盛山登山ガイド」というパンフレットが入っていた。読めばとても役に立ちそうだったけれど、残念ながら目を通したのは家に帰ってからだった。
 閉鎖されたゲートには「入山禁止」や「熊に注意」の立札が立っていて物々しい。そこから道はダートになり、林道恐怖症の僕がゆっくり走ったせいか、登山口まで1時間近くかかってしまった。しかし途中の紅葉は今が盛りでとても見ごたえがあった。
 ひょっとして今日は僕一人なのかと腹をくくっていたが、新登山口の駐車場に着くと3台の車が止まっていてほっとした。カラマツ林の中の登山道を歩き始める。カラマツの葉っぱが登山道を埋め尽くしているので、絨毯を踏むようにふかふかする。林の中は背丈の高いクマザサにおおわれて、それを縫うように蛇行しながら登山道は続いている。しばらく進むと展望の開けた所に出る。南アルプスに抱かれるように広がる雲海が見事だ。こんなに近くにこれほど規模の大きい雲海を見るのは初めてだ。村界尾根までは急登の連続でこのコース一番の難所だ。
 村界尾根からも素晴らしい眺望が広がって、休憩にはもってこいの場所だ。そこからは割と平坦な道が続くが、ぬかるんでいる個所が多く、注意を怠ると黒い泥に足を突っ込むことになる。鉢盛坂新道からの道は再び勾配を増すが、村界尾根までほどの急登ではない。久しぶりに太陽の当たる場所に出ると、権現の庭と呼ばれる所だ。全国でも数少ない高層湿原だそうだが、それほど広くなく季節柄花も無い。
 最近立て替えられたと思われる鉢盛山荘を過ぎれば頂上は近い。頂上には方位盤といくつかの小さな祠がある。古くから雨乞いの山としてしられているが、きっとこの祠の前で雨乞いをしたのであろう。方位版が設置されているが、周りの木が大きくなりすぎて周囲の山がほとんど見えないのは残念だった。
波田(はた)の方からやってきた人が頂上には目もくれずに反射板の方へ歩いて行った。頂上でのんびりしていた僕は「まあいいか」とあまり気にも留めずにいたが村界尾根で追いつかれた人に「反射板からの眺めは素晴らしかったですよ。あれを見ないとだめですよ。」と言われ、何だか損をしたような気がした。 村界尾根からの下りは、行く時とは打って変わってルンルン気分で歩くことができた。雲海が亡くなり、美ヶ原方面や中央アルプスの山々を堪能することができた。そして太陽を浴びたカラマツ林が黄金色に輝いていた。

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