日本300名山 No.73   一切(いっさい)経山(きょうやま)1949) 
             
                                     平成27年10月20日(月)晴れ

   浄土平駐車場(7:35)→姥ヶ原(8:30)→酸ヶ平避難小屋(8:50)→一切経山
  (9:15~20)→酸ヶ平避難小屋(9:40)→姥ヶ原(10:00)→浄土平駐車場
  (10:30)

 前日入った高湯温泉の共同浴場は露天風呂だけの素朴な温泉だが、ほかほかと体が温まった。磐梯吾妻スカイラインのゲートが開くのは7時なので、その手前の駐車場で待機していた。7時にゲートへ行くとすでに何台もの車が列を作っていた。このスカイラインは昨年グリュッククラブの仲間と通ったので非常に懐かしかった。最高点である浄土平の駐車場はまだ開いていなかったが、今は無料で駐車できるとのことだった。
 ビジターセンターの横手の木道を歩き始める。やたらと風が強く、樹木の生えていない頂上の強風が思いやられた。一切経山に直登する最初の登山口は有毒ガス発生のため通行止めになっていた。
()(だいら)経由の2番目の登山口も通行禁止だったので、今回はあきらめようと戻って行くと、最初の登山口に、登れる登山口が書いてある張り紙がしてあった。風雨でほとんど消えかけていたが、どうやら姥ヶ原経由であれば登れそうだったので、気を取り直して再び歩き始めた。登山道は整備が行き届いており、板で作られた階段が続く。左側の一切経山の中腹から噴煙が上がっているが、風は駐車場の方に向かって流れているので、頂上でガスを吸う危険性は無いであろう。振り返ると吾妻小富士が火口を見せてそびえている。
 姥ヶ岳を過ぎると木道に変わり、すぐに鎌沼が見えてくる。湖面や周りの笹原が風で波立っている。木道は時計回りにつけられており、反対側にまわると太陽が湖面に反射してきらきら輝いている。湖畔の遊歩道は、今日一番のハイライトだった。半周すると草紅葉越しに酸ヶ平避難小屋が見えてくる。2棟からなる立派な小屋だ。小屋横には一切経山への標柱がある。少し迷ったが、意を決して砂礫の道を歩き出す。振り返れば眼下に緑に囲まれた鎌沼が横たわっている。
 酸ヶ平からの分岐点を過ぎると傾斜はゆるんでくるが、風は一層強くなる。ただ足元を見ながら体を前に倒して歩く。ややもすると風に押し戻されたり横に飛ばされたりしたので、瞬間風速は30メートルくらいあったのではないかと思われる。頂上が見えてきてからもなかなかたどり着けない。頂上に着いてからも自撮りで写真を1枚撮っただけで、周りの景色を見る余裕もなく、早々に引き揚げる。
 帰路は心の余裕も出て、浄土平や吾妻小富士を見ながらルンルン気分で下山した。磐梯吾妻スカイラインは、工事のためか福島側に戻ることができなかったので、次の山に登るために二本松ICを目指した。

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