日本300名山 No.64   (いわい)瓶山(がめやま)1417m) 

           
平成27年9月16日(水)晴れ  

   大石橋登山口(5:45)→鈴振り尾根分岐(5:55)→一ノ塔(8:10~15)→
  祝瓶山(8:50~9:00)→一ノ塔(9:30)→鈴振り尾根分岐(11:10)→
  大石橋登山口(11:25)

 前日摩耶山に登った後、関川の道の駅で温泉に入り、小国を目指す。小国駅の横から登山口を目指すが、途中から長くて細い林道。不安な気持ちで奥へと進む。林道終点にトイレと5,6台止められる駐車場があった。登山口を確認して今日はここで寝る。
 5時に目覚ましで起きて、寒かったのでインスタントのカレーうどんをする。誰も登っていないと言う一抹の不安を抱えながら、荒川にかかる大石橋を渡る。橋と言っても踏み板一枚の不安定なつり橋である。小さな沢を渡り、三角屋根の
(そま)小屋の横を過ぎると、広い平坦な道となる。昔の林道であったことをうかがわせる。道標を鈴振り尾根方面の道をたどれば、本格的な山道となり、傾斜もだんだん急になってくる。
 やがて「萩街道」とでも呼びたいほど萩の花が両側に咲いている所にやってくる。松の根が複雑に絡み合っているが、階段状になっている所は返って歩きやすい。松の葉が絨毯のように敷き詰められた所はふかふかとクッションがきいて気持ちがいい。太陽が輝くと行く手に何本もの蜘蛛の糸が見える。せっかく苦労して作ったのかもしれないが、糸を切りながら前進するより仕方がない。
 一ノ塔を目指す前に一旦鞍部に下って行く。帰りのことを考えて少し気が滅入る。突き上げるような急坂を登って行くと、崩壊地が2,3カ所ある。そこで足を滑らせたら何百メートルも落ちていくことになるので、細心の注意を払って通り抜ける。左手の林の間から朝日連峰の山々やピラミッド型の祝瓶山の頂上部がちらちらと見えている。
 大岩のある一ノ塔に着くと大展望が広がっている。振り返ると、登っている時は気が付かなかったが、もう広葉樹が色付き始めている。前方には二ノ塔への尾根道が続いている。実は頂上だと思っていた所が二ノ塔であり、その先にもう一つピークがあることが分かった時にはさすがに気落ちしたものだ。そのあたりから両側の草に水滴がついていて、ズボンの膝あたりまでびしょ濡れになってしまった。 頂上にはさえぎるものがなく、大展望が待っていた。振り返れば登ってきた尾根が裾野まで見渡せ、大朝日岳を始めとする朝日連峰の山々は意外な近さで迫っていた。しかし、あたりがあっという間にガスで覆われ始めたのを契機に下山を始めた。苦労して登ったのに、たった10分の頂上の滞在だった。

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