日本300名山 No.58   神威(かむい)(だけ)1600m) 

                 平成27年
7月8日(水) 晴れ

   神威山荘(4:00)→430m二股(4:40)→524m二股(5:30)→尾根取付き
  (6:40)→国境稜線(8:40)→神威岳(9:00〜30)→国境稜線(9:45)→
  尾根取付き(11:25)→524m二股(12:20)→430m二股(13:10)→
  神威山荘(13:45)

札樽自動車道、道央自動車道、日高自動車道を通り、浦河町荻伏から林道を目指す。数年前にペテガリ山に登った時もこの林道を通ったが、その時は途中から神威山荘まで延々と歩かなければならなかった。今回は小屋まで車で入ることができるのでラッキーだ。それにしても、途中で不安になるほど長い林道を1時間以上かけて進む。
 小屋には2時ごろ着いたが誰もいない。明日は一人で登らなければならないのか、と少し消沈していたら山形ナンバーの車が入ってきた。明日一緒に登ることになり急に元気が出てきた。そのあとペテガリ岳を目指す沖縄ナンバーと奈良ナンバーの車が入ってき


神威山(左の山)

て、山談義に花が咲いた。神威岳に登ったことがある人から、最初の二股で迷いやすいことや、特に沢靴に履き替える必要もないなどの貴重な情報を得ることができた。

山形のAさんの希望で早朝4時発。時間が早いのには異存はない。見上げれば神威岳の頂上がはっきりと見える。小屋から作業道跡を10分ほど進むと最初の渡渉地点に出る。踏み跡を真っ直ぐたどると清流に出るが、これからさかのぼって行くのに、流れが下になっているのがおかしい。戻って確認すると、左手に登って行く道がある。間違えやすい所とはここだったのかと納得がいく。
 渡渉を繰り返し、ルートハンティングしながらニシュオマイナイ川をさかのぼる。4つの目で赤いテープを探しながら進んで行くが、それでもどちらへ進むのか分からない所が数か所あった。一人だったらとても心細く、パニックになることだってあるだろう。最後の二股で左手に入ると尾根への取り付き点に着く。ここでようやくコースの半分だ。
 いよいよ尾根に取付く道を登るが、傾斜が半端ではない。急登と言えば、中房温泉からの有明山、白山スーパー林道からの笈ヶ岳などへの道を思い出すが、ここはそれらより距離が長い。両側の笹や小枝につかまりながら体を持ち上げていく。今まで一度も休憩を取らなかったAさんも、さすがに息が上がってきて立ち止まる。そこから頂上までは僕が先頭を行くことにした。ゆっくり同じ調子で声を出しながら歩くのが、僕の急坂を登る流儀だ。ガロの「学生街の喫茶店」をゆっくり歌えばいい調子になる。
 稜線に出ると目の前に神威岳の頂上部がみえてくる。傾斜がゆるみ、ハイマツをかきわけてようやく頂上にたどり着く。達成感いっぱいで、思わず握手する。空は青空なのに周りは雪のように白い雲におおわれていた。それでも頂上には気持ちの良い微風が吹いており、別天地であった。我々が登ってきた谷だけがぽっかりと穴が開いていて、登ってきた道をたどって行くことができた。そして、かろうじて雲の上に顔を出しているのはソエマツ岳やピリカヌプリであろう。


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