日本300名山 No.82  (きん)北山(ぽくさん)(1172m)
 
         
                                                      
平成28年5月14日(土)晴れ  

   ドンデン山荘(9:45)→ドンデン山(10:05)→ドンデン山荘(10:15)→
  大佐渡自然歩道入口(10:30)→
青粘(あおねば)(とうげ)(1マトネ
  (11:15~20)→真砂の峠(12:25~40)→イモリ平(12:50)→天狗の休場
  (13:25)→
(えん)の行者(14:05)→金北山(14:40~50)→白雲荘(15:55)

 前日黒崎PAで寝て、早朝4時半に新潟港に向けて出発。6時発のフェリーに乗る。両津では予約制のバス「ドンデンライナー」が待っていた。土曜日とあって満席。飛び入りの客は断られていた。バスはあえぎながら、まだ新しいドンデン山荘に着く。すでに標高はかなり高く、眼下に両津湾と加茂湖が見える。両津は湾と湖に挟まれた狭い街だということがわかる。
 みんなが縦走路に向かって歩く中、僕はドンデン山を目指した。さすが花の山だ。早速黄色いエチゴキジムシロと紫のナガハシスミレの群落が現れた。間もなく天然の芝生のドンデン山に着く。雲一つない青空、穏やかな頂上には「尻立山」の標柱が立っている。下方に見えるドンデン池のほとりには高山植物が群生しているらしい。しかし今日はそこまで降りる余裕がなく、ドンデン山荘まで引き返し、舗装路を縦走路の入り口まで下って行く。途中にこれから歩く縦走路が一望できるところがあり、金北山は遥か遠くに見えた。
 縦走路の木陰は涼しく、道端にいろいろな花が現れる。キクザキイチゲの白い花、シラネアオイの大ぶりの紫の花、オオイワカガミの薄いピンクの花などである。ほどなくマトネと呼ばれる芝生の小さな広場に出る。バスで一緒だった団体はここで引き返すらしい。ここでゆっくり昼食を食べるらしくて、少しうらやましかった。
 しかしここから右に外海府、左に両津湾、加茂湖などが見える快適な尾根歩きが続く。芝生やザレ場、樹林帯と変化に富んだ縦走路を行けば「真砂の峠」と呼ばれる見晴らしの良い場所に出る。ここで昼食を食べ、ザレ場を一気に下るとイモリ平だ。外海府からの風が強いらしく、縦走路の右手にはほとんど植物が生えていない。日当たりの良い所にレンゲツツジのつぼみが赤く膨らんできている。最盛期の花が目に浮かぶようだ。
 「天狗の休場」から灌木帯に入り、金北山に向かって高度を上げていく。このあたりからよく見られるようになったのはカタクリの群落だ。あまりの花の多さに感動してビデオや写真を撮りまくっていたが、群落の規模は大きくなり、いちいち感動していられなくなった。時々、カタクリに交じってショウジョウバカマがピンクの花を咲かせている。2体の石仏が立つ「
(えん)の行者」、鏡池、アヤメ池を過ぎれば、いよいよ金北山に向かう最後の急登だ。
 頂上の大部分をレーダーなどの建物が占め、それらに挟まれて金北山神社が申し訳なさそうに建っている。島の最高峰だけあり展望は抜群だった。ただ、本州の方はかすんでいて、飯豊山とみられる山かげが望めるだけだった。バスが来てくれる白雲台までは防衛庁の管理道路を歩くので、事前の許可が必要だ。
 両津のフェリーターミナルまで戻って、バスガイドに「近くに風呂の入れる所はないですか」と尋ねると、椎崎温泉までバスで送ってくれた。本当に親切にしてもらい大感激だった。露天風呂だけの温泉からは、目の前に今日歩いてきた縦走路が広がり、幸せいっぱいだった。

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