日本300名山 No.38      金時山(1212m) 

                 
平成27年3月22日(日)晴れ

  金時神社登山口(10:10)→矢倉沢峠分岐(11:30)→金時山(12:00〜13:00)
 →矢倉沢峠分岐→(13:20)→金時神社登山口(14:10)

  グリュッククラブの本年度第1回の例会が関東遠征である。天気予報はよくなかったので、最初の予定を変更して今日(21日)は観光にした。箱根一の名所である大涌谷を目指したが、4百メートル手前で駐車場に入るための渋滞が始まった。しかし、降りてくる車も多かったので思ったほど時間はかからなかった。小雨が降っていたので、登山の雨具を着て歩き始める。15分ほど歩くと火山ガスが吹き上げている所に到着する。でも周りも霧で真っ白なのであまり迫力は感じられない。ここでは名物の「黒たまご」を作っており、出来立てが味わえる。
 次に湯河原の梅園に行く。数年前に幕山に登った時あまりにもきれいだったので再訪したのだが、雨は本格的になり、梅もほとんど終わりかけていたので、早々に熱海の旅館に入る。熱海は有名な温泉地であるが、全員初めての訪問だ。

 「せっかく熱海に来たのだから」と登山口に向かう前に、貫一お宮の像を訪れた。尾崎紅葉の小説『金色夜叉』の中で、間寛一とお宮の熱海海岸での別れの場面の舞台になったといわれているお宮の松が隣にある。途中の「三国峠」で待望の富士山とご対面。でも雲がかかって雪をまとった頂上部しか見ることができなかった。
 金時神社の駐車場に着いてびっくり。すでに何十台もの車が所狭しと並んでいる。僕らは仕方なく空いていた有料駐車場に車を入れる。金時神社で登山の安全を祈願して歩き始める。はじめは杉林の中の平坦な道なので割と歩きやすい。すぐに「金時手鞠石」という大きく真ん丸な石が左手に現れる。
 林道を横切ると勾配もきつくなり本格的な山道が始まり、正面に縦に割れ目がある大きな石が見えてくる。これが金太郎が夜露をしのいだといわれる「金時宿り石」である。岩の下に何本ものつっかえ棒がしてあるが、あんな細い棒ではあの大きな石は支えきれないだろう。
 山腹をまくようになると千石原や芦ノ湖、その左に箱根最高峰の神山、昨日訪れた大涌谷など雄大な景色が見えてくる。明神ヶ岳への分岐を過ぎると尾根道に変わり勾配がきつくなる。頂上直下の岩場を登りきると頂上に出た。
 頂上は人であふれていた。若い男女が多いのは福井の山とは違うところだ。2軒の茶屋があるが、「金太郎茶屋」でうどんとそばの昼食を食べる。フキノトウが入っており、春を感じさせる。主人は愛想がよく、日本第1位、第2位(北岳)、第3位(間ノ岳)が同時に映っている写真の説明をしてくれたりした。奥さんもコーヒーのおかわりやハイキングのパンフレットをくれたりしてとても親切だった。それに比べ伝説の「金時娘」はあまりに愛想が悪い。写真を撮られるのも嫌そうだった。
 1時間ほどして下山を始める。昨日の雨でぬかるんでいた所が、折からの太陽で大分乾き歩きやすくなってきた。下りはみんな快調で、標準タイムに近い時間で駐車場に戻ることができた。
 それから車を飛ばしたが、渋滞に遭ったりして家に着いたのは9時半だった。