日本300名山 No.67   熊伏(くまぶし)1654m) 
             
                                         平成27年10月3日(土)晴れ  

   青崩峠登山口(7:15)→青崩峠(7:30)→青崩の頭(8:10~15)→前熊伏山
  (8:45)→熊伏山(9:00~10)→前熊伏山(9:25)→青崩の頭(9:45)
  →青崩峠登山口(10:20)

 青崩(あおくずれ)峠への登山口に「塩の道」と書かれた立派な石碑が建っている。それをビデオで撮ろうとしたらビデオが動かない。バッテリー切れである。久しぶりの大失態、今日と明日はビデオなしで過ごさなければならない。塩の道と言えば糸魚川から松本に至る千国街道が有名であるが、ここは静岡県の相良から信州方面に「塩」を運ぶ秋葉街道の一部である。ちなみに秋葉街道とは、長野県飯田から遠山谷に入り,さらに青崩峠を越えて遠州秋葉山へと延びる江戸時代の街道である。
 苔むした石畳の道は当時のままなのかどうかは知らないが、なかなか趣がある。武田信玄の軍兵も通過したと言われている。「建次屋敷跡」の説明を見ながら
(ひょう)(ごし)峠への道を右に分けると青崩峠だ。そこが静岡県と長野県の境であり、長野県側に石仏が数体安置されている。
 熊伏山の登山口はそこから始まっている。すぐに右手が開けており最奥の双耳峰が坂口岳であろう。擬木の階段が続く歩きやすい道だ。右手が大きく崩れており、危険なところにはう回路ができていた。足元に栗のイガが落ちていたがほとんど中身は無い。5,6粒拾ったがこれでは栗ご飯もできまい。崩壊を過ぎると電波塔の建つ青崩の頭だ。
 そこからは傾斜も緩み、緑の広葉樹の中を歩く気持ちの良い道だ。馬の背のように痩せた尾根もあるが、それほど幅は狭くないので危険は感じない。観音山の起点となる前熊伏山へはあっさりと着いてしまう。そこから進路を北に取る。突然小鹿が白い尻を見せて林の中へ駆けていく。数回の軽いアップダウンを繰り返せば、頂上までもあっという間だ。
 頂上広場は太陽の光で明るく。そこだけが浮かんでいるように見えた。今まで薄暗い樹木の中を歩いてきたので、スポットライトが当たっていうように感じたのかもしれない。東側が刈りこまれていて南アルプスの南部が望めるが、残念ながら山の名前はわからない。セルフタイマーで写真を1枚撮ってすぐに下山する。
 帰り、足神神社の前で水を汲んでいる人が大勢いた。中には軽トラックいっぱいにポリタンクを積んでいる人もいて、ここの「足神の水」はよほど御利益があるらしい。

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