ミヤマキリシマを見たいばっかりにこの季節を選んだが、鹿児島は何年かぶりの大雨。1日目の登山予定の高隅山は雨のためパスして、桜島からフェリーで鹿児島市に入る。ターミナルで大学時代の友人と久しぶりに会う。夜は懐石料理をごちそうしてもらい、宿泊までさせていただいた。40数年前の縁が脈々と続いている。ありがたいことだ。
翌朝、教会に行く彼らと伊集院ICで別れる。僕は八代市の山の中の樅木を目指す。林道に入って、二股になっている所を「通行禁止」の方に行かなければならないのにまっすぐ行ったため、だいぶ時間のロスがあった。おまけにもう少しでゲート前という所で左の後輪がパンクしてしまった。スペアタイヤや工具がどこに格納されているかも知らなかったので、一瞬気が動転してしまったが、説明書を見て何とか交換することができた。ゲート前に着くと、マイクロバスでやってきた団体が下山している所だった。雨の中をご苦労なことだ。
久しぶりに雨は止んだが、太陽は姿を見せない。林道をしばらく歩き、新登山口から登山を開始する。杉の植林の中の急登だ。まだ目覚めきっていない体が悲鳴を上げている。第1登山口や第3登山口からの道を合わせれば周りを灌木が覆うようになり、時々太陽の光がその間から射し込んで幻想的な筋を作り出している。
やがて、コバイケイソウのような葉っぱをもち薄緑の小さな花をいっぱいつけた植物の群落が現れる。名前を知らないのが残念だが、群落の規模の大きさと咲き始めた可憐な花に圧倒される。頂上直下はシャクナゲの群
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頂上の祠の前で |
落。新芽が白く、花のように見える。石灰岩の白い石の所にミヤマキリシマが一株咲いていた。初めてのご対面である。頂上には比較的新しい祠が建っており、展望もよかったが、山の名前はわからない。とにかく奥深い山であることが実感できる。
帰りに今度は左前のタイヤがパンクしてしまった。だいぶ気を付けていたつもりだったが、尖った岩のかけらを踏んでしまったのだろう。このあたりの林道は落石が多くあまり手入れもされていない。こんなことは初めてのことであり、とにかく主要路に出ようとゆっくり車を走らせた。途中に「携帯電話が通じます」という立札があったので保険屋さんに電話して、タイヤ屋さんに来てもらうことになった。例の「通行禁止」のことを言い忘れたので、タイヤ屋さんも僕を見つけるのに苦労したらしい。しかし4時ごろ2本のタイヤを交換してもらい、何とか命拾いした感じだ。
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