日本300名山 No.1     経ヶ岳1625.2m)

平成24年9月1日(土) 晴れ時々曇り

  保月尾根登山口(9:20)→アダムとイブ(9:45)→保月山(10:05〜10)→
  杓子岳(10:45)→中岳(11:05)→切窓(11:15)→経ヶ岳頂上
 (11:50〜12:15)→切窓(12:40)→中岳(12:55)→杓子岳
 (13:10〜15)→保月山(13:50)→アダムとイブ(14:10)→
 保月尾根登山口(14:30)

 
中岳(左)と経ヶ岳(右)
 地元の山だけに、この山にはいろいろな思い出がある。最初に挑戦したのはもう40年ほど前。六呂師の部落から唐谷コース(当時はこのコースしかなかったと思う)を歩く。あまりも苦しく、山頂直下の火口原で引き返すことになった。それから数年後、生徒とともにテントを担いで同じコースを登る。夏だったので、小川の冷気がとても気持ちがよかった。結局小川のそばにテントを張り、翌日軽装で頂上を目指した。切窓から頂上は死ぬ思いだったが、頂上のニッコウキスゲの群落に癒されたのを覚えている。     
      保月山コースができて比較的容易に山頂に立てるようになったが、生徒と法恩寺山から縦走したのが特に印象に残っている。結構きついところがあるので、最近は体力を計るバロメーターとして登っている。今回の所要時間は7年前とまったく同じだった。少々ばて気味であったが、ちょっぴり自信も持てた。
 さて今回の登山だが、カナダへ行ってから半月あまり経つが、所用で計画していた山に登れなかったこともあり、欲求不満気味。しかもお腹がでてきたと妻にからかわれる始末。そこで体をいじめる意味もあって経ヶ岳に登ることにした。林道法恩寺線の登山口付近には立派な駐車場ができていたが、案内板などがまったく無いので、始めてきた人はそこから100メートルほど下がったところにある登山口がわからないだろう。
 いきなり階段を登っていくと杉の植林。杉林が終わると、2本の木が寄り添っていて、「アダムとイブ」という札がかかっていた。「だれが名づけたのだろう。勝手に名づけてもいいのかな」などと考えてしまう。2本の木がくっついているから、「アダムとイブ」というのは安直に過ぎるのでは。道はブナ林に変わり、やがて背丈の低い潅木のトンネルになる。残暑の厳しさもここまでは届かない。トンネルを抜けると保月山だった。中岳のおだやかな山容が見えている。
 保月山から杓子岳の間のコースが難所である。露岩のアップダウンがあり、梯子やロープもある。登り返しの急登が苦しくようやくおだやかな登りになるといきなり視野が開けて杓子岳の頂上である。以前は標識もあったが今は三角点があるのみである。
 そこからの中岳のなだらかな山容とその先に屹立する経ヶ岳の景色がいつも脳裏に残っている。木が生えていない笹の山は、実際以上の高度感がある。パノラマを楽しみながらおだやかな道を登り返せば中岳に着く。ここにも特に標識は無い。経ヶ岳を正面に見ながら切窓と呼ばれる鞍部まで下っていく。目標の山がだんだん高くなっていくので、これがなんとも言えず勿体無く感じる。切窓には以前福大ワンゲルの標識が立っていたがそれも無い。切窓は唐谷コースへの分岐点でもある。
 いよいよ最後の急登である。以前勢いに任せて登ったらばててしまったので、「ゆっくり着実が一番」を肝に銘じて登りはじめる。何も考えずゆっくり一歩ずつ登れば必ず頂上に着く。問題は早く着きたいという焦りの気持ちだろう。さすがにもう頂上かと思った先にまだ道が続いていた時はがっくりだったが、なんとか誰もいない頂上にたどり着いた。陽がかげるとさわやかな風が吹き渡るが、雲が切れると夏の暑さだ。日陰が無いので居場所が無い。
 早めに昼食を切り上げて下山する。登るとき半そでシャツだったので笹の葉に傷つけられたので、下山は長袖にしたら快適に歩くことができた。たた、変化に富んだ登山道なので、足に疲れがたまり、最後は足を引きずるような格好になってしまった。