300名山 No.18 野口五郎岳(2924m) |
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【1日目】 7月28日(土) 晴れのち曇り一時雨 高瀬ダム(5:50)→ブナ立尾根登山口(6:15)→12分の8(7:10〜15)→ 12分の5(8:15〜20)→三角点(8:40)→12分の2(9:20〜25)→ 烏帽子小屋(9:50〜10:05)→烏帽子岳(10:50〜11:00)→烏帽子小屋 (11:40〜12:00)→野口五郎小屋(13:15) |
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2つの吊り橋を渡ればいよいよブナ立尾根登山口に着く。標高差1350mを一気に登り、北アルプスの三大急登と言われている。とがった山が現れれば烏帽子岳かと思うが、奥に隠れていて途中からは臨めない。九十九折りの急登をひたすら登っていくが、小屋まで12に分割してある標識があって自分の位置を確認できるのが良い。やがて高山植物が次々と現れて登山者を励ましてくれる。 小屋までは思っていたよりずっと早く着いた。荷物を置いてピストンする。ニセ烏帽子に注意だが、やっぱり騙されてしまった。「もう歩きたくない、あの山であって欲しい」という心理状態にいるために騙されやすいのだろう。ニセ烏帽子岳からようやく槍にも似た天を突くように伸びている烏帽子岳の姿を目にすることができた。コマクサやシャクナゲの花を愛でながら頂上直下まで来ると、最後の岩登りが待っている。 烏帽子小屋で昼食を食べた後、野口五郎岳への縦走を開始。ところがキャンプ場から先が分からず又引き返すがやっぱり案内がない。人に聞いてようやくキャンプ場を通り抜けるということが分かったが、15分ほどの時間のロスだった。 途中の道ばたには「コマクサ街道」と名づけたくなるほどたくさんのコマクサが咲いていた。岩木山や蓮華岳に匹敵するのではないかと思った。途中のお花畑にはハクサンイチゲとミヤマキンポウゲの群落があり、これにも大感激であった。 野口五郎小屋までも、自分の計算していた時間よりかなり早く着いてしまった。丘のように見える募口五郎岳が小屋を見下ろしていた。今日は余り混んでいず、布団を一人に一枚もらえたのはラッキーだった。 |
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【2日目】 7月29日(日) 晴れのち曇り 野口五郎小屋(4:55)→野口五郎岳(5:15〜25)→東沢乗越(7:10)→ 水晶小屋(8:00〜15)→水晶岳(8:55〜9:00)→温泉沢の頭(10:00)→ 赤牛岳(12:00〜15)→8分の5(13:30)→8分の3(14:30)→8分の1 (15:35)→奥黒部ヒュッテ(16:15) |
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天気予報は雨なのに、太陽が真っ赤に輝きだした。さっそく野口五郎岳に登る。流れるガスの向こうに、鷲羽岳から槍ヶ岳まで連なる裏銀座コースが姿を見せている。西に目を転じれば、水晶だけの双耳峰から赤牛岳までの尾根がラクダの背中のように続いている。 水晶小屋までの道はアップダウンが多く、しかも崩壊している箇所もあるので慎重に歩く。槍ヶ岳が目の前に見えるお花畑で朝食とする
小屋の横から水晶岳の大きな頂上部が見える。水晶岳からどんどん人が戻ってきており、僕が着いたときは誰もいなかった。数年前頂上から大パノラマを見たが、今日は余り遠くまでは見えない。薬師岳とその下に広がる雲の平が折からの太陽に輝いている。 水晶を過ぎると急に人がいなくなった。赤牛岳まで足を伸ばす人がいないということだろう。赤牛岳はピストンするには時間がかかりすぎ、縦走するには魔の読売新道を通らなければならない。高天原から登ってきたとういう単独行の人にあった。下を見ると、はるかかなたに赤い屋根の山小屋が見えた。ほとんど一本調子の急登だ。 今回は3泊4日コースを2泊3日でまわったために、行程的に少し厳しかった。ただひたすら赤牛岳に着くことだけを願い、周りをじっくり鑑賞する余裕がなかったように思う。心に余裕がないと花を愛でる気もなくなる。これは悪い徴候だ。おまけにやっと着いた北アルプスの最深部の赤牛岳だが、急に湧きだしたガスのために視界なし。白の世界だ。たった一人いた若者は5時間半かけて奥黒部ヒュッテから歩いてきたそうだ。
4時過ぎ奥黒部ヒュッテに到着する。11時間の歩きはさすがに疲れる。今日の泊まり客は4人。2人に一部屋という贅沢さ。夕食の量もたっぷりあり、どれもおいしくいただくことができた |