日本300名山 No.42     大笠山1248m) 

            
平成24年9月26日(水) 晴れ

  吊橋(5:45)→天ノ又(8:10〜15)→避難小屋(9:20)→大笠山
 (10:05〜40)→避難小屋(11:15)→天ノ又(12:25)→室堂(14:20)

 土曜日にこの山に登るべく、桂湖の登山口近くで車中泊をしたのだが、夜半過ぎから雨。朝の4時半にあきらめて家に帰ると6時半。まだ誰も起きていず、うち鍵がかかっているので家に入れず、チャイムを鳴らして家内を起こしてしまった。

笈ヶ岳(左)と白山

 今回はそのリベンジ。快晴ではあったが、平日だったので誰もいないのではないかと心配したが、岡山からやってきた人が先に登っていった。先達があると言うことはとても安心できる。登山は吊橋から始まる。渡り終えると、鉄の梯子と鎖が連続する。このコースで一番危険なところだ。そこを抜けると、所々階段になっていて、割と手入れされた道ではあるが、ほぼ登り一辺倒の道が続く。振り返れば桂湖が見えている。
 やがて「桂湖から1.6キロ地点」と書いてある道標が現れる。あと4回ばかり現れるのだが、すべて半端な数字で、どうしてきりのいい数字にしなかったのかと不思議に思った。ひたすら樹林帯を歩いていくと、右手に「(あま)の又」というピークに出るが、周りの樹木とガスにさえぎられて見晴らしはよくない。3つの木製のベンチがあるが1つを残して後は倒壊していた。雪のせいだろう

 大きなヒノキやブナの林を越えていくと気持ちのよい尾根道に出る。前方に見えるはずの大笠山はまだベールに包まれたままだ。避難小屋の手前で岡山の人に追いついた。車に寝泊りしながら登山を続けているそうで、今日が10日目だそうだ。避難小屋は大きく傾いており、中は材木などが重なっていて泊まれる状態ではなかった。平成9年の建造というから、そんなに古いものではない。ここでも雪のすごさを感じさせられた。
 ガスは急速に晴れ、左手には
(おいづる)ヶ岳が手に取るように見え、大笠山の頂上も目の前に見える。奈良岳への分岐点は小さな広場になっている。昨年の秋、ブナオ峠から苦労して奈良岳の頂上に達したのが頭をよぎる。高山植物が見られるところだが、今の季節は何も無い。左手に折れればすぐ頂上だ。
 大変な苦労をしてここまでやってきたが、それだけの値打ちは十分にあった。時計とは反対周りに、白山、
(おいづる)ヶ岳、三方岩岳、御嶽、乗鞍、槍、穂高を中心とした北アルプス、剣、立山に奈良岳、金沢市街、そして日本海まで見える。「10日間の中で、今日の天気が一番よかった」と岡山の人も感激ひとしお。
 名残惜しい頂上ではあったが、長い行程のことを考えて下山を始める。振り返りながら、登るときは見えなかった大笠山のいろいろな角度から見た山容を楽しんだ。三角錐の堂々とした姿はやはり名山の風格がある