日本300名山 No.91   奥茶臼山(2474m) 

      
平成28年10月20日(木)晴れ  

   しらびそ峠登山口(6:55)→尾高山(8:30~35)→奥尾高山(9:15)→岩本山
  (10:20~25)→奥茶臼山(11:45~12:05)→岩本山(13:00~05)→
  奥尾高山(14:05)→尾高山(14:45~50)→しらびそ峠登山口(16:15)

 恵那峡SAで寝て、5時、暗い中をしらびそ峠に向かって高速道路を走りだす。約2時間かけて着いた峠には、1台の車が駐車しており、すぐ軽自動車の夫婦も到着した。時間的にも、今日はこの3人の登山になりそうだ。登山口には
 












頂上直下から見た赤石岳
「奥茶臼山まで8km、4時間30分」と書いてある案内板が立っている。白山に登るより距離が長いと考えるとちょっと気後れする。
 カラマツの林の中のいきなりの急登だ。一つ山を越えてしばらく登るとビューポイントに出て、先頭の単独行の人に会った。彼からそこから見える山を教えてもらった。左手から聖岳、上河内岳、聖岳、池口岳と続いている。池口岳は双耳峰なので割と見つけやすい。尾高岳の手前はササでおおわれており、朝なので夜露にズボンのすそが濡れる。
 林の中の岩の上に尾高岳の標識が立っている。ここでまだ3分の1だ。さらに進むと倒木や地面に苔が生えている。まさに緑の絨毯だ。倒木の上にまた木が生えており、長い年月を変えて森は世代交代をしていくのだろう。約1時間で奥尾高山の標識が木にかかっている所に着くが、とても頂上とは思えない平坦な所だ。
 さらに林の中を進んで行くと、木はだんだん小さくなっていくようだ。長い登山道歩きは何か考え事をして意識を飛ばすのがいい。ひと休みするのにちょうどいい倒木があったので腰かけて見上げると岩本山の標識が木にかかっていた。ここで老夫婦に追い抜かれる。70歳は越えていると思われるのに元気だ。奥さんが先頭を歩いて旦那さんをリードしている。尾根は登るに従い広くなってくるので道を失いそうになる。赤いテープがなかったらとても歩けそうにない。
 頂上に近づくと何本かの立ち枯れの木が見えてくる。異常なほど白く、青空にとてもよく映えている。頂上直下に林が切れて南アルプスを展望できる最高の場所がある。天気もいいので見とれてしまうほどの壮大な眺めだ。左から仙丈、甲斐駒、北岳、間ノ岳、農鳥岳といったおなじみの山が続き、赤石岳と聖岳が正面に見えて一番堂々としている。この景色がなかったら、この山は林の中にアップダウンが続く苦しいだけの山になってしまうだろう。頂上は林の中の何の変哲もない所だ。山名が書かれた標識が地面に一枚落ちている。冬期用か、木の高い所にもう一枚かかっていた。
 帰路にも大きく登り返すところいくつかあり、相当エネルギーを使い果たす。ゆっくりマイペースで降りたが、尾高山を越えたあたりから足が重くなり、登山口がとてつもなく遠くに感じた。約9時間をかけて登山口に戻ってきたが、近くの「ハイランドしらびそ」で温泉に浸かればようやく生き返る心地がした。

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