日本300名山 No. 48    猿ヶ馬場山1875) 

       平成27年5月1日(金) 晴れ

   林道ゲート(5:45)→宮谷林道出合(7:00)→電波中継所(8:40〜45)
  →帰雲山(9:10)→猿ヶ馬場山(10:40〜11:20)→谷への分岐(12:00)
  →崩壊地(12:25)→第一渡渉点(12:45)→宮谷林道出合(13:10)→
  林道ゲート(13:55)

 

穏やかな頂上の猿ヶ馬場山
 S先生のお宅に3時集合だったので、自宅を2時過ぎに出る必要があった。これではまともに睡眠がとれないと思い、前日夕刻自宅を出て東海北陸道の「ひるがのSA」で寝た。これは大正解で、たっぷり睡眠をとることができた。 4時15分ごろ、S先生とSさんと無事合流する。夜が明けたばかりで人影もない白川郷の狭い道を通り、林道のゲート手前の造林小屋の前に車を止める。僕らのすぐ後にやってきたのは倉敷ナンバーの人だった。
 ゲートを抜けて幅の広い林道を歩き始める。小さな三角小屋のあるところで左手の細い林道に入ると間もなく谷筋の雪の上を歩くことになる。ひたすら下を向いて歩くが、足を止めて上を見れば若葉が青空に映えている。しばらく行くと、右手から伸びている宮谷林道と合流する。しばらくは林道を快調に歩いていくが、行きは尾根コースをとるので赤いテープが見えるところで急坂を登って行く。先行の人の足跡があるので安心だ。
 ブナの原生林の中をひたすら登って行く。やがてだだっ広い場所に出ると奥に青く塗られた電波中継所が見えてくる。パラボラアンテナが2基立っている。左手に猿ヶ馬場山の穏やかな頂上部が見えている。まだかなり遠い。前方に
(かえり)雲山(ぐもやま)がそびえている。そんなに高くないと思われたが、ここの登りがこれまでで一番の急こう配であった。
  頂上から見た白山
 帰雲山からの登り返しがきついだろうと想像していたが、スキーのゲレンデのような緩い坂が続いていて一安心。尾根は細くなり、このあたりから植生はブナからオオシラビソに変わる。蔵王などではこの木が冬になると樹氷で覆われるのだ。尾根を右に曲がって行くと平坦な頂上部に出る。これが想像以上に長かった。あれが頂上だと信じて最後の力を振り絞るのだが、頂上はまだ先だった。3人の人影が見えてきて、やっとそこが頂上だと確信することができた。
 頂上を示すものは何もないと思っていたが、オオシラビソの上部に山名が書かれた札がかかっていた。雪に覆われたとてつもなく広い頂上だ。この山が人気であるのは、第一に白山の大展望である。そして大笠山や笈ヶ岳などの白山を囲む山々や北アルプスなど360度の大展望を得られるところにある。今回は残念ながら北アルプスの方ははっきり見えなかったが、雲一つない青空の下、雪を抱いたその他の山々の展望には大満足であった。
 帰りは途中から谷に降りた。急坂を下ったり崩壊地や沢の上の雪渓を横切る時など怖い思いをしたが、林道に出るとやっと緊張が解けた。雪渓が終わった後の林道歩きがとても長く感じたが、行きの半分の時間で戻ってきてしまう。先行していたはずの倉敷の人はまだ帰っていなかった。家にも予定よりずいぶん早く戻ることができた。