日本300名山 No.69   太平山2068m) 
             
                                            平成27年10月16日(金)晴れ  
 

   旭又登山口(7:15)→御滝神社(7:45)→御手洗神社(8:45~50)→
  太平山(9:45~10:00)→御手洗神社(10:35)→御滝神社(11:25)→
  旭又登山口(11:50)

 前日新潟からフェリーに乗る。暢気に構えていたら港に着いたのが出港の30分前で大いにあせった。翌日早朝、まだ薄暗い秋田港から出発する。ちょうど昨年の今頃八幡平に行ったとき同じコースをたどったので懐かしい気がする。
 登山口は秋田市から意外と近く、7時過ぎには旭又沢を上流に向かって歩いていた。周りは手入れの行き届いた秋田杉の森だ。道幅が広いのは、昔杉を運ぶ林道として使われていたのだろう。30分ほどで鳥居と小さな祠のある
御滝(おたき)神社に着く。そこからは本格的な山道で、ブナの根が山道に複雑に絡み合っている所がある。その辺りから紅葉も始まっている。
 かなり傾斜のきつい道を登って行くと、ベンチと清水が流れ、休憩にはもってこいの気持ちの良い場所に出る。御手洗神社と書いてある塔が建っているが、石仏と石碑があるだけだ。少し離れた所に小さな2体の地蔵があり、頭巾と袈裟の赤い色がやけに鮮やかだ。
 再び急登が始まる。雨で削られて赤土の滑りやすい場所もあり気を引き締める。紅葉は黄色の色が強く、全山真っ黄色と言っても過言ではない。「七曲」と言われる所をジグザグに登って行くと稜線に出、右手前方に三吉神社の奥宮や山頂には不釣り合いに見える立派な宿泊所が見えてくる。
 奥宮の鳥居はステンレス製で、朝日にきらきら輝いている。きらびやか過ぎて、山には不似合いに見える。山頂からの眺めは抜群で、鳥海山や秋田駒ヶ岳が優美な姿を見せている。眼下には秋田市と日本海が横たわっている。頂上にいた人は、これから赤倉岳を周ってくるのだと言って先に出発した。下山する時、稜線のかなり先にこの人の白い姿があった。人間の足はあんなに早く進むことができるのだと、妙な所で感心していた。そしてその奥にいくつもの美しい山並みが続いていた。
 下山していると何人かの年寄りの人に会った。最初不思議に思っていたのだが、きっと頂上の神社にお参りして、集会所で仲間と語り合うのだろう。それは体の健康にも心の健康にもいいに違いない。
 下山するとすぐに乳頭温泉に向かい車を走らせる。秘湯と言われる黒湯温泉で紅葉を見ながら汗を流し、これからの
陸奥(みちのく)の旅に期待を膨らませた。

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