日本300名山 No.80 高塚山(1621m)                                                           平成28年4月22日(金)晴れ  

   山犬段(やまいぬのだん):50)→蕎麦粒山(9:20~25)→5樽沢のコル(9:50)→
  三ツ合分岐(10:30)→高塚山(11:05~15)→三ツ合分岐(11:50)→
  5樽沢のコル(12:15)→蕎麦粒山(13:00~05)→山犬段(13:25)

 前日、雨の中、新東名を走る。掛川PAで寝たが、夜明けまで雨が降り続いていた。心配なのは雨による土砂崩れだ。早く起きすぎたので、時間調整のために少し読書をして、いつもより遅く出発する。最奥の集落である()()久保(くぼ)を過ぎても林道(南赤石開発幹線林道)は延々と続き不安がよぎる。大札山(おおふだやま)の登山口の所でいよいよ砂利道となる。そこで会った人には「僕は怖くてこの先はとても行けません。以前に帰りに土砂崩れに遭って戻れなくなった人がいましたよ」と脅かされ、ますます気がめいった。そこからの11キロのがたがた道は嫌になるほど長かった。
 ようやくこんな山奥には似つかない立派な小屋と広々した駐車場が現れた。山犬段と呼ばれる所だが、昔は木材の集積場だったらしい。車が2台止まっていて、誰かが登っているのだと思うと、何となくほっとする。
 すぐ、目の前にそびえる
蕎麦粒(そばつぶ)山に登り始める。30分で頂上に着いてしまう。今日は天気がよく、富士山がきれいに見える。雲の上から顔を出しているのは天城山系の山であろう。幾つもの山が並び、重なっている。  
 この登山道には要所要所に案内があり、迷うことはなさそうだ。そこから130メートルほど一気に下ると、5樽沢のコルと呼ばれる所に出る。帰りはここから林道に降りようと考えていたが、その方向はなぜかバツ印がしてある。がけ崩れなどでかなり荒れているのかもしれない。
 やがて背の高い笹が地面を覆い、葉のない大きな木が林立してくる。木々の間から高塚山の頂上部が見え隠れしている。笹が低くなり、高原状の台地が現れると間もなく三ツ合である。「三ツ合山1602m」の標識が枝にかかっている。ここは黒法師岳至る分岐点でもあり、昨年苦労して登った黒法師岳が思い出される。ここで先行していた男性に追いつく。
 いよいよ頂上に至る稜線を歩く。たくさんのコバイケイソウが葉っぱを出している。今年は当たり年なのか、かなり大きな規模の群落がいくつも見られる。最盛期には見事な花を咲かせるだろう。穏やかな山道を歩いていると、標識に突き当たり、そこが高塚山の頂上だった。木々に囲まれていて周りの視界は無いので、パンとソーセージを食べてそそくさと下山にかかる。
 帰路は結局蕎麦粒山を登り返すことにしたが、これがかなり苦しかった。しかし、長い林道を脱出し、川根温泉でお風呂に入れば気分爽快。今日は藤枝PAで寝ることにした。

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