ニュージーランド北島トレッキングの旅 2006年〜2007年

12月27日(水)
 晴れ
 いよいよニュージーランド北島トレッキングの旅が始まる。今回はWさんと二人だ。昨夜は中部国際空港に隣接している「コンフォートホテル」に泊まったので、歩いて出発カウンターに行けるので便利だった。午前10時発のCX533で香港へ行き、1時間ほど待ってCX117でオークランドに向けて出発する。
 ニュージーランドとは5時間の時差があり、すぐに夕食。灯りが消されたので眠ろうとするが余り寝られず、目の前のテレビをつけたり消したりしていた。
12月28日(木) 
晴れ
 3時頃からみんな起き出す。朝食はオムレツで、これはおいしかった。30分ほど早く、7時10分無事オークランド国際空港に着陸する。
 空港で予約してあったレンタカーを借りて、いよいよ旅の始まりだ。国道1号線に乗るのに反対のオークランド方面の方へ行ってしまったが、途中でUターンしてハミルトンに向かう。このあたりは都会に近くさすがに交通が激しいが、やがて片側一車線ののどかな道になる。羊が出てくれば、もうニュージーランドそのものである。
 途中の小さな町の銀行で両替し、タウポには1時頃到着。さっそく町の入口にあるフカ滝を見学。数年前に家族で訪れた時のことを思い出してしまう。ダウンタウンで昼食をとり、タウポ湖沿いを走る。トゥランギのスーパーで買い物。ステーキ肉や野菜、パンなど50ドル以上の買い物をする。
 5時頃無事「ディスカバリー・ロッジ」に到着。5人用の部屋だった。受付の兄ちゃんに「明日の天気は良さそうなので疲れていても明日トンガリロに行った方がよい」と言われたのでバスを申し込む。最初の計画ではルアペフ山を登るつもりでいたのだ。
12月29日(金)
晴れ
ド・クレーター(9:05)→エメラルド・レイク(9:15〜20)→ケティタイ・スプリングスへの分岐(昼食 10:20〜35)→ケティタイ・ハット(11:00〜30)→トラック終点(13:20)
 5時起床。昨日スーパーで買ったパンと野菜で朝食。ハムやチーズや野菜を挟んでランチも作り、6時発のマイクロバスに乗り込む。定員がオーバーして床に座った人もいた。マイクロバスからルアペフ山が朝日に赤く燃えているのが見えた。
 6時25分マンガテポポ・バレーから歩き始める。平坦な道を行けば、すぐにマンガテポポ・ハットが見えてくる。分岐から離れているので、小屋の前に出ることはできない。
 若者が多いせいか、やけにペースが早い。雲に隠れていたナウルホエ山がだんだん姿を現してきた。きれいな木道を歩いていけば左手にソーダ・スプリングスが見えてくる。緑に囲まれた温泉があるそうだが、今日は寄る余裕はない。
 そこからは、本格的な登山を思わせる急登。気持ちの良い汗をかけば、マンガテポポ・サドルに出る。右手にすっかり雲がとれたナウルホエ山が全貌を現している。

エメラルド・レイクス
往復3時間で登れるそうだが、見たところはっきりした道は見あたらない。勇敢にも挑戦する人が一人いたが、僕らは先を進み、サウス・クレーターに出る。キリマンジャロを思い出させる広々とした平原だ。
 クレーターの端の外輪山を登れば、このコース最高地点のレッド・クレーターが見えてくる。頂上に立てば最高の景色が待っている。背後にはレッド・クレーターとナウルホエ山、眼下にはエメラルド・レイク、前方にはブルー・レイクが見える。
 火山礫の急な坂をざくざくと下りていく。登る人はつらそうだ。火山湖特有のエメラルド色は周囲の赤茶けた溶岩の中で輝いている。いつまでもそこにたたずんでいたい気分だった。二つ目のセントラル・クレーターの火口壁を登っていけばブルー・レイクの湖岸に出る。一番大きな湖だ。若いカップルが腰を下ろして湖面を眺めている。周りには黄色いマウンテン・ディジーが咲いている。なかなかいい風景だ。
 左手に大きなノース・クレーターを見ながら進めば、やがて道は山腹をトラバースしていく。ハイライトは過ぎてしまったんだな、と少し寂しい気持ちになった。眼下にケティタイ・ハットが見える景色の良いところで、少し早いが昼食にした。小屋の向こうにはロトアイラ湖、そしてタウポ湖も見えている。
 小屋で大休止。ここから2時間と言われているので、バスの時間に合わせてみんなのんびりと休んでいる。11時半出発。ゆっくり目に歩いても集合時間の2時には充分間に合った。ただ、コースを歩き通したという感激は意外に少なかった。前回までのように山小屋に泊まりながら何日かかけて歩いたのではないからかも知れない。
 ロッジに戻ってからトゥランギのスーパーへ買い物に行く。夜はロッジの食堂で、僕はラム、若島さんはチキンを食べた。
12月30日(土) 
雨のち曇り
ファカパパ・ヴィレッジ(12:10)→タラキ滝(12:55〜13:00)→ファカパパ・ヴィレッジ(14:00)
 5時頃目を覚ましたのだが、再びぐっすり寝てしまいWさんに7時頃起こされる。朝食はご飯を炊いた。日本と違い米はとても小さな単位で売られている。主食ではないからだろう。まあまあうまく炊けて、みそ汁とトマトでおいしくいただく。
 朝から雨なので山には登らず、タラナキ滝へ行くことにした。11時頃雨が止んだので出発地点のスコーテル・ホテルに向かう。前回ここに泊まったのでなつかしかった。「あの時は2日間ともルアペフ山がきれいに見えていたのに」と少し恨めしく思った。用意をしていると日本人に声をかけられた。一人でレンタカーを使って登っているようだ。すごい行動力だと思った。
 山側のルートから12時10分歩き始める。遊歩道なので家族連れが多い。途中で雨が降り出したので雨具をつける。しばらくするとみぞれになった。夏だというのに信じられない気候だ。平坦な平原から雑木林に入っていくと、やがて断崖から流れ落ちている滝が見えてきた。雨の後だから水量は多いが、この程度の滝ならどこでも見られる。
 帰りは渓流沿いの道を通る。こちらの方が雰囲気はいい。
 2時頃車の所に戻り、ルアペフ山の登り口のリフト乗り場まで行ってみた。高度を上げるにつれて雨が激しくなり、濃い霧も発生していた。しかし、下の駐車場から見ると晴れていてかなり遠くまで見渡せる。
 いったんロッジに戻り、4時頃オハクニに向けて出発した。そこはルアペフ山麓のもう一つのスキー場であるトゥロア・スキー場のベースタウンである。一通りはそろっている小さなかわいい町だ。またスーパーの「ニュー・ワールド」に入る。トゥランギのスーパーより大きくて楽しかった。
 夜はスパゲッティをした。トマトスープにハムを一杯入れたら結構おいしかった。
12月31日(日) 
晴れ
第二リフト終点(9:30)→グレイシャーノブ(11:45〜50)→ドームピーク(12:10〜40)→グレイシャーノブ(12:50)→第一リフト乗り場(14:10)
 5時頃起きてロッジの前からルアペフ山を見ると、頂上まできれいに見えていた。バックの雲が朝日に赤くそまっている。トンガリロの山並みもはっきり見える。今日は登山日和だ。
 
朝焼けのルアペフ山
チェックアウトの時フロントで聞いたらリフトは9時から動くということだった。早かったがリフト乗り場まで行って、車の中でしばらく待っていた。
 リフトを乗り継いで、一番上まで行き9時半歩き始める。しかし標識などが全くなく、どちらの方向へ歩いていって良いのか皆目分からない。  そこでガイド・ツアーの後を歩いていくことにした。しかし、彼らは少し行っては説明をするので登るのが遅い。一緒に説明を聞いている訳にも いかないので、待っているが、しまいにはいらいらしてしまい先に行くことにした。
 岩場はすぐに雪渓になり、雪山の世界だ。太陽はすっかり隠れ、じっとしているとジンジンと冷えてくる。抜きつ抜かれつして、少し迷いながらもようやく火口の端にたどり着く。そこがグレイシャーノブで、新雪が積もった巨大な火口原が足下に広がっている。
 ドームピークは火口壁を登ったところにある。一部雪のないところがあり、あちこちから小さな噴煙が上がっている。さわってみると温かい。20分ほどで避難小屋のある2672メートルのドームピークに到着する。思わすWさんと固い握手をする。
 時々雲が流れ、眼下に幻想的な火口湖や周りの岩群が現れた。それは筆舌には尽くせない感動的な場面であった。雄大な景色を見ながら昼食。ガイド・ツアーにただ一人参加していた日本人の女性がやってきて「速く歩きたいのにガイドの説明が長いし、英語がぜんぜんわからない」と文句タラタラであった。一人で旅をしているのは感心だと思ったが、協調性がない女性だと思った(失礼!)。そのうち太陽が出てきて雪に反射し、暑いほどになり、ひりひりと肌が焼けるのを感じた。
 帰りは二人でさっさと降りる。足跡をたどっていけばめったなことはないだろうと簡単に考えていたのが間違いだった。途中までは確かに合っていたのだが、右に行くべき所を左に行ってしまい、とうとう足跡がなくなってしまった。冷静に考えれば引き返すべきだったのだろうが、大体の方角はわかっていたし、スキー場を下ればリフト乗り場に出るだろうと甘い考えでそのまま降りてしまい、とうとう迷ってしまった。隣の谷に入ってしまったようだ。岩場を歩いているとスノーボードを担いでいるおじさんの姿を見たので、思わず声をかけ後をついていかせてもらうことにした。地獄に仏とはこのことである。足が速いので必死についていき、第一リフトの終点の所まで誘導してもらう。おじさんはリフトに乗らずそのまま降りていった。なんてタフなんだろう。
 リフトに乗っていると雪はみぞれに、そして雨に変わっていき雨がシャツに染みこんで冷たくて仕方がなかった。車に着く頃にはずぶぬれになってしまった。
 それでも2時半には車を走らせ、一路ニュープリマス向かった。予約してあったホテルに着いたのは7時をまわっていた。ホテルの窓からタラナキ山が夕日を浴びているのを見ることができた。
1月1日(月) 
晴れ
 こちらにいると少しも正月らしい気分がしない。ふと日本ではどうしているかな、と考えてしまう。タラナキ山は残念ながら見えていなかったが、7時に出発する。山に近づけば近づくほど天気は悪くなり、とうとう雨になってしまった。ビジター・センターが開くのを待って話を聞いてみると、今日は天気が悪いので途中で戻るコースをすすめられた。寒いし雨も激しくなってきたので、僕らは戦意喪失。明日再チャレンジすることにした。
 ニュープリマスに戻る途中でモーテルを予約して、今日は一日のんびりと観光することにした。ます、最初に町のはずれにあるパリツツ展望台に行く。展望台といって154メートルの特徴ある岩山である。階段があったので登ってみたが、頂上直下は少し危険だったのでそこから町の様子をビデオに収めて降りてきた。
 次にブルックランズ・パークに行き、動物園に入る。そんなに規模は大きくなく子供用といった感じがしたが、無料なのが良い。公園は手入れが行き届き、青々とした芝生の中にとてつもなく大きな木がそびえ、その下には赤や紫のきれいな花が咲いていた。ニュージーランドらしいのんびりとした風景だった。
 町に戻ってコベット・ブリュースター美術館に入る。ここも無料で空気やスピーカーの音波を利用して物体を動かす興味のある展示をやっていた。11時頃スターバックスで一服して、コーヒーとケーキを注文する。
 その後思い立って、タラナキ山を一周するサーファーズ・ハイウェイ(45号線)を走ることにした。のどかな牧場と海を見ながらの快適なドライブだった。映画「ラストサムライ」もこのあたりで撮られたそうだが、何にもないところだ。タラナキ山の上部には少し雲がかかっていたが、いろいろな角度から雄姿を見ることができた。
 一周してニュープリマスに戻り、モーテルにチェックインして8時過ぎに夕陽を見にパリツツ展望台近くの丘に行く。インド洋に落ちていく夕陽は格別だった。タラナキ山も頂上まできれいに見えていた。
1月2日(火) 
雨のち曇り時々晴れ
マンガテポポ(11:20)→ソーダ・スプリングス(12:25)→マンガテポポ・サドル(13:10〜20)→ナウルホエ山(14:55〜15:10)→マンガテポポ・サドル(15:50〜55)→ソーダ・スプリングス(16:25)→マンガテポポ(17:25)
 どんよりと曇った天気。この調子だとタラナキ山の頂上近くは吹雪かもしれない。この時期雪も多く危険だと思い、登山はあきらめてどこか観光することにした。僕の頭にあったのはタウランガとマウント・マウンガヌイだ。一度通過したが、あの海岸線と突端の山に登りたいと思ったのだ。
 7時半モーテルを出発。国道3号線を北上する。途中で気が変わり、天気が良ければナウルホエ山に登ろうと思いナショナル・パークを目指す。国道といいながら舗装されていないところもあり、曲がりくねった道路は予想以上に時間がかかってしまった。
なつかしい「ディスカバリー・ロッジ」を過ぎてマンガテポポの登山口に着くと不思議なことにどんどん晴れてきた。時間も遅かったし風が冷たかったので少し迷ったが、これから登る人も2グループあったので思いきって登ることにした。タラナキ山の敵をここでとろうという入れ込みもあったのかもしれない。
 マンガテポポ・サドルまでは勝って知ったる道である。そこからは踏み後をたどっていくというので幾分不安であったが、単調な山なので迷うことはないはずだ。折しも10人ぐらいのグループが降りてくる。女性や子供が多かったのでなんとなく安心する。
 途中から火山礫の滑りやすい道になり、それが直登なので歩きにくいことこの上ない。左側の岩を手すり代わりにして、ずるずるすべりながらよたよたと登っていく。期待していた天気も悪くなり、真っ白いガスの中だ。
 茶色の溶岩が黒い色に変わっていくと、ようやくクレーターの端らしきところに到着する。岩木山のように鉢の縁を時計回りに歩いていき、一番高いと思われるところで頂上と決める。赤い岩の間から噴煙がいくつも出ていて、手を近づけると熱い。若島さんは血行が悪くなったと言って蒸気で暖めていた。
 登りに苦労した分降りは早い。スケートをしているように距離が稼げる。何と40分でマンガテポポ・サドルに着いてしまった。さすがに、もう人の姿はなかった。登山口到着は5時半頃になってしまったが、日が長いので助かる。
 すぐタウポに向かう。モーテルを探すが、さすが観光地だけにほとんど「ノー・ヴェイカンシー」だった。湖沿いを避けて町の中で入ったモーテルは最初150ドルと言っていたが、渋った顔をしていると130ドルに負けてくれた。タウポ湖越しにルアペフ山とナウルホエ山が見えた。あの山の頂に登ったんだと思うと大感激だった。
1月3日(土) 
晴れ
駐車場(9:30)→階段(10:05)→ハイドロ・キャンプ(11:20)→ピナクル・ハット(12:05〜25)→ザ・ピナクルズ(13:00〜20)→ピナクル・ハット(13:45)→ハイドロ・キャンプ(14:30)→階段(15:15)→駐車場(15:50)
 朝から雲一つない上天気。5時起床で6時出発。国道1号線を北上してコロマンデル半島の付け根にあるテームズという町を目指す。テームズは人口約7000人を数える半島最大の町である。カウエランガ渓谷をさかのぼり、ビジター・センターで情報を得て、ロード・エンドの駐車場から歩き始める。
 見上げれば首が痛くなるほど大きなカウリの木が立っている。この道はもともとはカウリの木の運搬用に作られた作業道だ。馬が歩きやすいように大きな岩には階段がつけてある。昔の人はおそらく人力でこんな大きな岩に立ち向かったのだと思うと、感心しないわけにはいかなかった。
 いくつか吊り橋をわたり、昔のキャンプ跡であるハイドロ・キャンプあたりからだんだん木が低くなりマヌカの花が今を盛りと小さな花をつけている。視界は一気に開け、右手に目指すザ・ピナクルズの全貌が見えてきた。厳しい岩の固まりに「本当にあんな所まで登れるのだろうか」と一抹の不安がよぎる。
 眼下にピナクル・ハットが見えてくる。かなり遠くに見えていたのに10分で着いてしまう。最近建て替えられたという90人収容の新しい小屋だ。ヴェランダに出てみるとザ・ピナクルズの頂上がきれいに見えていた。素晴らしい景色を見ながらの昼食は格別だった。
 案内書には「この先は踏み跡程度で、ところどころにぬかるみもある」と書いてあったので少し心配だったが、道は整備されきれいな階段が続いていた。Wさんが数えたところでは550段あったそうだ。やがて岩場となり、何カ所かの梯子を登れば頂上に出る。ちょっとした展望台になっているが、その裏側の岩に登れば本当の頂上だ。真っ青な南太平洋や緑の山々など360度の大パノラマが望める。思わずバンザイと叫んでしまう。最後の山が最高の景色で締めくくれたのはありがたいことだ。
 帰りはとても長く感じたが、3時半に駐車場に戻ることができた。半島の突端のコロマンデルまで行こうかとも思ったが、時間が遅くなったのでテームズに泊まることにした。しかし町の入口のモーテルは軒並み「ノー・ヴェイカンシー」。町を通り過ぎたところに素敵なモーテルがあった。少し高かったが最後のモーテルなので思い切って泊まることにした。前は海、広々とした芝生に木や花が配置され、それを囲むように三角 屋根の施設が建っている。言うことなしのロケーションだった。
 すぐに買い出しに行き、日本へのおみやげも買った。
1月4日(水) 
晴れ
 今日も快晴なのに少し悔しいのは、きっとタラナキ山に登れなかったせいだろう。残っていたご飯を炊いて、計画通り食料はほぼなくなってきた。Wさんがインスタントみそ汁をたくさん持ってきてくれたので助かった。ただ、日本食ブームか、今回どのスーパーに行ってもすしの酢や海苔、時にはみそやうどんやラーメンまで置いてあるのにはびっくりした。
 8時出発。途中で交通事故を見た。ニュージーランドで初めての事故の目撃なので驚いたし、ちょっと気が引き締まった。コロマンデル半島からオークランドは意外と近い。順調に1号線にはいると、一気に都会に近づく。「ワン・トゥリー・ヒル」が見えてきたので寄る。標高183メートルの死火山で、頂上にはマオリに敬意を表して建てられた塔が立っている。オークランド一帯が一望できる展望台だ。
 「交通博物館」に寄ったら、思いがけず時間をとられてしまい、あわててシティーセンターを目指す。何と行っても「スカイタワー」がいい目印になってくれる。予約したあったホテルに荷物を預けてレンタカーを返しに行く。ガソリンを満タンにしに行ったら約束のジャスト12時。無事返すことができてほっとした。
 「シティ・セントラル・ホテル」はビジネスホテル並に小さな部屋だ。これまで広々としたモーテル暮らしだったので余計に狭く感じる。でも、都会の真ん中で値段も値段なので文句は言えまい。
 港に向かって歩き3時のハーバークルーズを予約する。オークランドは入り組んだ湾と小さな島々が点在するので、景色を楽しむのにはゆっくりクルーズするのが一番だ。ハーバーブリッジをくぐったときバンジージャンプをやっていた。港にはたくさんのヨットが浮かんでいて、その向こうはオークランドの高層ビルが遠ざかっていく。なんだか旅の終わりにふさわし風景だ。
夕 食はホテルの近くのレストランで念願のステーキを食べる。ボリュームたっぷりのおいしいステーキに満腹して、腹ごなしにアオテアセンターをまわって本屋に寄って帰る。
1月5日(金) 
晴れ
 5時起床。チェックアウトしてタクシーを呼んでもらった。現金の持ち合わせがないので「カードでも良いか」と聞いたら少し困った顔。アメリカン・エキスプレスの用紙しか持っていないそうで、タクシー仲間の所へもらいに行ってようやくスタート。早朝につかんだ客は絶対放したくないといった感じだった。
 出国に際して、出国カードを書き忘れたり出国税を払い忘れたりと、旅慣れるということはいい加減になるということなので気を付けなければならない。香港で、Wさんはセキュリティーで財布を置き忘れるというハプニング。話しかけられてそちらの方に気が行ってしまったようだ。でも助けを求めた空港職員が親切に応対してくれて事なきを得た。
 9時前に名古屋に着く。家に着いたら夜中の1時近くになっていた。長い長い一日だった。