No.45           赤 石 岳(3120m)

  平成11年8月21日(土)〜22日(日)  曇り時々雨後晴れ

 @ 悪沢岳(7:40)→ 荒川中岳(8:45〜9:00)  → 荒川小屋( 昼食 10:05〜
  35)  → 小赤石の肩(12:05〜15)→ 小赤石岳(12:35)  → 
  分岐(12:50)  → 赤石岳(13:15〜20) → 分岐(13:40〜45) → 
  水場(14:25)  → 富士見平(15:25〜35) → 赤石小屋(16:05) 
 A 赤石小屋(5:25) → 椹島ロッジ(8:40)

悪沢岳からの下りは瓦礫の急斜面で、こちら側から見ると悪沢岳の厳しさがひしひしと感じられる。
 一旦下って、砂礫のゆるやかな斜面を登っていけば荒川中岳避難小屋に出る。足を止めないで、裏側の荒川中岳まで一気に登った。振り返ればガスの切れ間からさっきまで立っていた悪沢岳の頂上が一瞬姿を現わして消えていった。
 カールを左手に見て大斜面のお花畑の中を下っていく。面積でいくと南アルプスで最大だそうだ。最盛期は過ぎたとはいえまだまだ沢山の高山植物が咲き乱れていた。写真で見た辺り一面黄色のシナノキンバイの群落こそ見られなかったが、イワギキョウ、ウメバチソウ、トウヤクリンドウなどが印象的だった。
 荒川小屋も新築のきれいな小屋だった。雨がひどくなってきたので、雨宿りをさせてもらったら二百円とられた。金をとるのは山小屋では当然のことかもしれないが、靴を脱いで食堂に入ったら追い出されてしまう。上がらせてもくれないのには少しムッとした。仕方無く玄関に座っての昼食となった。
 大聖寺平から小赤石の肩までのジグザグ道はきつかった。この行程で初めてといってもいいほど息切れを感じた。雨混じりの強い風で、休んでいても体が冷えるばかりで疲れがとれた感じは全然しなかった。
 赤石のコルにザックを置いて、いよいよ赤石岳の頂上を目指す。大きな岩がゴロゴロした道は歩きにくく、思った以上に時間がかかった。南アの盟主と言われる赤石岳も濃いガスの中では何にも見えず、写真だけ撮って早々に引き上げる。360度の大展望を見るために是非もう一度訪れたいものだ。
 一面のお花畑の中、北沢の源流帯を下っていく。雨に滴を垂れる植物も又情緒がある。水場を過ぎるとあとは赤石小屋までだらだらとした下りである。疲れのせいか、とても長く感じた。
 翌朝、小屋裏の展望台に上って見ると、左手に赤石岳が朝日を浴びて赤く染まっていた。意外なほど近くにデンと控えていた。はるか前方には悪沢岳をはじめとする荒川三山が壁のようにそびえている。あんな所からここまで我ながらよく歩いたと思う。右手を見ると又しても富士山がいつにもまして大きく堂々としていた。