No.90     吾妻山(西吾妻山2035m)
                       
                     平成14年8月25(日) 晴れ
 
  北望台(9:05) → 人形石(9:40〜45) → 大凹(10:05) → 梵天岩
  (10:35〜40) → 天狗岩(10:50) → 西吾妻山(11:10〜15) → 
  西吾妻小屋(11:30) → 天狗岩(11:40〜45) → 梵天岩(12:00) 
  → 大凹(12:20) → かもしか展望台(12:45〜50) → 北望台(13:05) 

  前日、蔵王エコーラインから上山市、南陽市、米沢市と初めての土地を通った。米沢市を出ると吾妻連峰が思ったよりも高いところに連らなっていた。西吾妻スカイバレーから白布温泉に入りかんぽの宿で一風呂浴びる。僕はそれ程風呂が好きなわけではないが、それでも山で汗をかいた後の温泉は格別である。さっぱりした気持ちで天元台のロープウェイの駐車場にはいる。7年前ここを訪れてロープウェイには乗ったが、ひどい天気で結局中止したことを思い出す。
 ロープウェイの始発は8:20と知っていたので慌てる必要はなかったが、6時頃起きてコーヒーを沸かしてパンの朝食。ゆったりとした、さわやかな朝だ。
 ロープウェイとリフトを3つ乗り継いで北望台に着く。そこには「安全の鐘」というとってつけたような鐘が新しく出来ていて少し興ざめだった。しかし観光客のためということもあるのだろうが、濃霧などの時には役立つであろうから一概に悪いとも言えないと思い直した。そこが標高1820mで頂上までの高度差が200m余りだから、いかに高低差の少ない高原状の頂上部を持つ山かがわかる。
 大半の人たちは直進して「かもしか展望台」の方へ向かったが、僕は少しでも行きと帰りは違う道を通ろうと考えて「人形石」を目指す。昨晩雨が降ったらしく下はかなり濡れていて岩などは滑りやすくなっていた。
 岩のゴロゴロした「人形石」は3方からの登山道が出会うところである。ガスの間からおだやかな嶺が見え隠れしているが、余り視界が良くないので早々に腰を上げる。そこからは立派な木道が続いており、下の湿地帯の木道には「かもしか展望台」の方からやってきた大勢の登山者が歩いている。
 大凹からは唯一と言っていい急登である。大きな岩に乗ったり、その間をくぐったりしているとやがて池塘の点在する「いろは沼」に出る。花の季節であればさぞかし美しい景色が広がっていることであろう。
 「梵天岩」はいくつかの大きな岩が積み重なっているところであり、「天狗岩」は広大な岩の広場である。道はここで二手に分かれているが、みんな岩に印がしてある右手の西吾妻小屋の方に向かっている。「西吾妻山はこちらですよ」と何人かの人には声をかけたが、少し遠回りになるだけのことなのであまり気にするほどのことではなかったのかも知れない。それにしても「天狗岩」に入るところでぜひ標識を立ててもらいたいものだ。
 西吾妻山へは少し下って登り返す平らなこんもりとした森である。頂上部ではかなりの速さでガスが流れていた。ほとんどの花はなくなっていたが、エゾオヤマリンドウだけは今が盛りと咲いていた。
 頂上はせまく、樹木にさえぎられて視界も利かないので、たった5分しかいなかった。きっと頂上での最短滞在記録であろう。帰りは西吾妻小屋の方を周る。西大巓が目の前でゆるやかな頂上部を見せている。湿原に蛇行する木道と赤いかまぼこ型の屋根を持つ西吾妻小屋がとてもよくマッチしている。
 ガスが晴れてくるに連れて周囲の山の奥深さが実感できる。今回だけでは本当の吾妻連峰を歩いたとは言いがたいことがよくわかった。