アメリカ・カナダの旅
                                          1988年8月4日〜19日

8月4日(木) スチーブンズ・ポイント  長い長い一日の始まり。4時半のノースウェスト機は30分遅れて離陸。12時間かけてシカゴに到着。現地時間で2時、すぐアメリカン航空のチェックインをして、帰りのノースウェストのリコンファームをする。
 8:15発なのに様子がおかしいので聞いてみたら,ゲートナンバーがボーディングカードに書いてある番号と違っていた。あわててそのゲートに行き間一髪間に合った。
 スチーブンズ・ポイント(Sさんが留学していた町)ではSさんの友人スーワンが迎えにきてくれていた。11時ごろ「ホリデー・イン」にチェックインして飲みに行く。ビリヤードやダーツが置いてある典型的なアメリカのバーだ。
8月5日(金) スチーブンズ・ポイント  10時過ぎスーワンが迎えに来てくれて留学していた大学を見学しに行った。大規模ではないが、緑の芝生とレンガの建物が調和しており、それぞれの建物の造りが贅沢な感じだった。
 昼食後はダウンタウンを歩く。小さな町だが立派なモールがあった。ホテルに戻って6時ごろ"のり子さん"という日本人の女性が訪ねてきて夕食を食べ、スーワンのアパートへ行って話をする。のり子さんという人が気さくな人だったので楽しかった。Sさんの留学生活が目に浮かぶような一日であった。
8月6日(土) スチーブンズ・ポイント  12時頃キャシーという女の子が訪ねてきて、彼女のお母さんがキャンプしている「サンセット・レイク」に行く。山の中の静かな湖だった。キャシーとお母さんが東京に来た時Sさんが案内したそうで,大歓迎してくれた。僕はパンツを借りて一泳ぎした。
 夜「ダイ・ハード」という映画を見に行く。そんなに英語がわからなくても充分楽しめた。帰りスーワンの家で,彼の料理をご馳走になった。ご飯が一番美味しかった。
8月7日(日) ナイアガラ  スーワンが飛行場まで見送ってくれてスチーブンズ・ポイントともお別れ。シカゴで3時間ほど待ってエアー・カナダで現地時間の6時半、トロントに着く。ナイアガラへ行くバスを探したがなかなかわからず、ようやく予約したら7時20分になっていた。ところが、他の客を待っていたのかマイクロバスが出たのは9時近くであり、とても心細かった。
 「シェラトン・ブロック」についたのは10時半。すぐ滝を見に行く。歩いてもそれほど遠くなかった。イルミネーションといっても想像していたほど明るいものではなく、少しがっかりした。バーガーキングで夕食を食べ、ホテルに戻ったら12時をまわっていた。
別ルートでやってきたSさんは2時ごろ到着する。
8月8日(月) トロント  8時ごろ起床、さっそく滝の観光に行く。Sさんと「霧の乙女号」に乗る。一番最初だったので混んでいずスムーズに乗船できた。合羽を貸してもらえたからよかったものの、滝壷に近づくとすごい水飛沫でびしょぬれになってしまった。轟音の中、船は嵐の中に漂う木葉のように漂っていた。
 船を下りてSさんとはここでお別れ。いよいよ1人の旅が始まる。僕はテーブルロックに向かう。テーブルロックというのは滝壷に張り出した岩のことで、そこまではエレベーターで下りて行く。馬蹄形をしたカナダ滝がすぐ目の前に見え、トンネルを通って滝を裏側から見ることもできる。
 午後タクシーでターミナルまで行き、13:25発のバスに乗ることができた。このバスは停車するところが多く、トロントに着いたのは3時半ごろだった。タクシーで「クオリティ・イン」へ行く。
 5時ごろ地下鉄で中華街へ出る。1人では量が多くもったいないが残してしまった。8時ごろホテルに戻り、絵葉書などを書く。
8月9日(火) トロント 9時の市内観光のツアーに申しこんであったので8時に起きるつもりだったのに目覚ましのセットを間違えて7時に起こされてしまう。気分的なものかもしれないが、何となく眠たかった。
 バスは市内を一巡してトロント大学で一休み。CNタワーなど上るのかと思っていたが外から眺めるだけだった。カサ・ロマというナイアガラ瀑布の水力発電で巨万の富を得た人が建てた古城を思わせる個人の大邸宅を見て、昔の開拓時代の村を再現した所で1時間ほどいてホテルに戻る。市内観光ツアーはだいたい失望するものである。
 もう1回とばかり、地下鉄でCNタワーに向かう。ツアーで上らないのも無理がないと思った。長蛇の列ができていて、展望台に上るのに1時間半もかかってしまった。何しろエレベーターが1つしか動いていないのだが、確かに一度にたくさんの人が上がってもどうしようもないのかもしれない。さすがトロントはカナダ第一の都会だ。摩天楼が林立していてニューヨークと見間違うほどである。
8月10日(水) オタワ  今日は4時半起床、5時20分チェックアウトして、5時40分の一番バスで空港に行った。8時05分発のエアー・カナダでオタワに行く。エアポート・バスで今日のホテル「ロード・エルジン」には10時ごろ着いてしまう。チェックインできないので荷物を預けて、郵便局でたまったハガキを出す。切手を45枚も買ったので驚いていた。
 とりあえず国会議事堂へ。グループを組んで説明してくれるのだが、1時間以上かかってしまう。時計台の所まで行くエレべーターに乗るのに40分ほど並んだが、それほどの価値はあっただろうか。
 7時ごろ家に電話する。日本時間では朝の8時だ。家内が出た。(子供たちは登校日で誰もいなかった。)なんだかとても元気が出た。
8月11日(木) モントリオール  9時発のバスでモントリオールに行く。2時間ほどで着く。タクシーでホテル「La Citadelle」に。黒人の運ちゃんはメーターを上げもせずに6ドルと言った。高いのか安いのかわからないので言われるままだ。
 また荷物を預けてドミニオン広場に行く。そこから懲りもせず市内観光バスに乗る。でも、今日のは失望しなかった。バスは市を一巡して、教会にしてはちょっと絢爛豪華過ぎるノートルダム教会へ。そこからセントローレンス川の方へ行きオリンピック公園、植物園、モントリオール大学などの説明を受け、モン・レアル山に登り市内を見下ろすサンヨゼフ聖堂を見物してドミニオン広場に戻ったのは3時過ぎだった。
8月12日(金) カルガリー  7時にリムジンを頼んでいたので慌てて用意する。9:20発のカルガリー行きに無事間に合った。飛行機の中でステーキの昼食が出たので大満足。4時間以上飛んだが時差の関係で11時半頃着く。
 「サンドマン・ホテル」に到着したのは1時をまわっていたので、今日は部屋に入れてもらえた。少し休んでホテルの前からCトレインに乗り(市内は無料というのがいい)、ガルガリー・タワーに上る。CNタワーと違って並ばなくてもいいし、カルガリーの街もこじんまりしていて、しかも清潔なので大変気に入った。
 次に近くの「グレンボー博物館」に行く。戦争の時の刀や武器に興味があった。日本の鎧や兜もあった。
 帰り8th通りのモールを通ってショッピングセンターでホットドックを食べていると日本人の家族に会い懐かしくていろいろ話し込んでしまう。
8月13日(土) バンフ  観光バスでバンフに向かう。いよいよカナディアン・ロッキーへ足を踏み入れる。バスはバンフ近郊のバンフスプリングホテルやトンネル山、サルファー山などをまわる。サルファー山ではゴンドラに乗って頂上に上り、バンフの街を眼下に見た。
 4時ごろ「マウント・ロイヤル・ホテル」に着く。街の真中にあるきれいなホテルだった。ミールクーポンを買ってあったが、「なんでも食べることができる」というのには大感激。ステーキやエビなどちょっと贅沢な夕食になった。
8月14日(日) バンフ近郊  キャッスル山を見ながらボー川沿いにレイク・ルイーズに行く。曇っていて山の頂上が見えなかったのは残念だったが、神秘的な湖だった。
 さらにアイスフィールド・パークウェイを北に向かってコロンビア大氷原へ。タイヤの直径が人の背丈ほどもある大型の雪上車でそのうちの1つであるアサバスカ氷河を走る。青い色をしたその氷原が何万年も昔のものであると思っただけで感慨深いものがあった。
 帰りペイト湖の展望台に寄り、ペイト湖を見る。絵葉書のようなエメラルド色の湖だった。
8月15日(月)  バスはしばらく線路を見ながら走った。ループの所でちょうど汽車が来てバスが止まってくれたので絶好の被写体になった。
 昼食のときニュージーランドから来ている夫婦と相席になりいろいろ話をする。旦那さんはハミルトンの大学の教授をしている。
 シャスワップ湖畔で一休みしたり、小さな店に寄ったりして「LECLE JEVE」という山の中のリゾート地にあるホテルに泊まる。部屋の前に湖があり、ベランダから景色の移り変わりを眺めることができた。
8月16日(火) バンクーバー  今日はただひたすらバンクーバーに向かって走った。11時半ごろ「ミンターガーデン」と言うところについて1時間ほど園内をぶらぶらする。花で人形の形にしたものもあり菊人形を思い出した。12時半から全員がそろっての昼食。オーストラリア2名、ニュージーランド2名、アメリカ2名、日本1名という国籍であった。
 3時ごろバンクーバーの「サンドマン・ホテル」に到着。すぐ、明朝のツアーに申しこみ、エアポートへ行くバスの確認をした。街の中心部に近くいいロケーションだ。
8月17日(水) バンクーバー
シアトル
 「ビューティフル・バンクーバー」というツアーはバスの中から市内の説明があり、あっという間に10時半頃終わってしまう。
 午後グレイハウンドのエアポート・エキスプレスで空港へ。シアトル行きの飛行機はエンジントラブルとかで一時間ほど待たされた。やっと乗った飛行機はプロペラ機で乗客は10人ほどしかいなかった。
 5時ごろシアトルの「クオリティ・イン」に着く。すぐ「エキスポセンター」まで歩いていく。海外で始めて到着した場所がシアトルであり、ここはモノレールで訪れた懐かしい場所である。中華の夕食の後「スペース・ニードル」というタワーに上る。これでタワーは3つ目だ。その後野外のコンサートをしばらく見て8時ごろホテルに戻る。
8月18日(木) シアトル  ホテルの近くのバス停で空港行きのバスを待っていたが30分ほど待っても来ない。飛行機に乗り遅れるわけにはいかないのであせってフロントからまた連絡してもらったが、バスがくるまで1時間ほど待っていたことになる。そんな僕の心も知らず、バスの運ちゃんは愛想もくそもなかった。
 空港ではホームスティの家族と涙の別れをしている日本の高校生の姿が多く目に付いた。