古代エジプト 8日間の旅
                                                         
1985年8月21日〜8日

8月21日(水)

晴れ
カイロ  エジプト航空は午後4時半成田空港を離陸。数日前に日航のジャンボ機が墜落した後なのでかなり心配だった。機体がボーイング767であったのがせめてのなぐさめであった。途中で降りたのはバンコクだけだったので予定よりずっと早く現地時間の午前3時にエジプトはカイロに着いてしまう。それにしても18時間半かかったことになる。
8月22日(木)

晴れ
カイロ  4時半「ホリデー・イン・ピラミッド」にはいりシャワーを浴びてさっぱりする。
 8時半集合で「エジプト考古学博物館」へ行く。世界有数の大博物館であり古代エジプトの膨大な遺物を集めている。ツタンカーメンの秘法の部屋が何と言っても印象深かった。その後巨大なドームと高い2本の尖塔が特徴的な「ムハメドアリ・モスク」へ。
 「スフィンクス・レストラン」で昼食の後、パピルスを売る店に寄ったので1枚買う。今日はさすがに夕食後すぐ就寝。
8月23日(金)

晴れ
アブシンベル
アスワン
 午前2時モーニングコール、2時半朝食という驚異的なスケジュール。5時発の飛行機でアスワン経由でアブシンベルへ。上空から広大な砂漠と巨大なナセル湖を実感することができた。
 「アブ・シンベル宮殿」は今から約3200年前、ラムセス2世が造らせたものである。来るだけでも大変なこんな奥地に、このような記念物を造らせたラムセス2世の権威の大きさに驚く。アスワン・ハイ・ダム建設のため水没することになり世界中からさまざまな救済案が出されたが、神殿を切断し移転するというスェーデンの案が採用された。宮殿は想像以上に大きく圧倒されたが、8ミリカメラはダメだと言われがっかりする。
 9時発の飛行機でアスワンに戻り、ハイ・ダム、切りかけのオベリスクなどを見学。「切りかけのオベリスク」は岩の亀裂が原因で切り出しが中止されたと言われているものだが、古代エジプトの石の切り出し方法がよく分かる。長さ41メートル重さ1150トンと言われる大きなものをよくもまあ人力だけで切り出そうとしたものである。
 11時半頃エレファンティネ島にあるホテル「オベロイ」に着く。とてつもなく立派なホテルだ。3時ごろ隣の部屋の人とアスワンの町を歩く。ごみごみした市場は活気がありイスラムっぽくてとてもよかった。
 3時ごろフルーカーと呼ばれる帆掛け舟に乗った。静かにゆったりとして時間が流れる感じがちょっとだけ実感できた。
8月24日(土)
晴れ
ルクソール  7時半にホテルを出て空港に着いたのはいいが肝心の飛行機が来ず、ルクソールへ向けて離陸したのは1時過ぎ。なんともエジプト的だ。この飛行機がまた揺れたのでヒヤヒヤだった。
 一担、ホテル「ジョリービル」で休み、3時半ナイル川東岸のカルナックの遺跡へ。大きく3つの神殿に分かれるが、その中の「アメン大神殿」を訪れる。広大な敷地に建てられた神殿であり、周るのに2時間ほどかかる。その後「ルクソール神殿」へ。アメン大神殿の付属神殿として建てられたそうであるが、スケールの大きさに圧倒される。ここで写真を撮っていると「ここからがベストポジションだ」と石の上に立つことを教えてくれる現地の人がいる。親切に手まで取ってくれる。石から下りると手を出してくる。何のことはない、金の無心である。
8月25日(日)

晴れ
ルクソール  Tさんとバスで街に出た。馬車でのんびり街をまわる。大勢の人の波をかきわけ、庶民の生活を垣間見ることができたのはよかったが、とある洋服屋に止まった。服を買って欲しいらしい。無視することもできたのかも知れないが、期待にそってしまうのが僕の悪い所。子供の服を3枚も買ってしまった(帰国して家内になじられたのは言うまでもないこと)。「買わされた」という感じが、何とも嫌だった。
 

午後はフェリーで西岸に渡り王家の谷へ行き、ツタンカーメン王墓、ラムセス6世、9世、セティー1世の王墓などを見る。どの王墓も壁画や豪華さ規模などに圧倒された。ただ暑さとつきまとってくる子供の物売りには閉口した。
 7:30、汽車はカイロに向けて出発。寝台車の快適な旅である。







8月26日(月)

晴れ
カイロ  5時ごろ目が覚める。朝靄をついて汽車は緑の農村部を走っている。珍しく定時の7:30ギザ駅に到着する。
 ホテル「メナ・ハウス・オベロイ」で一休みして、すぐ近くのピラミッドの見学。写真で見ると三大ピラミッドは砂漠の中にあるように見えるが、こんなに街の近くだとは思ってもいなかった。クフ王の大ピラミッドでは内部に入った。天井が低くくて歩きにくく、しかも人いきれで息をするのがつらかった。スフィンクスを見てお土産屋に寄ったが、さすがにここでは何も買わなかった。
 午後メンフィスとサッカラをを訪れる。メンフィスではラムセス2世の巨像と1912年に発見されたアラバスター製のスフィンクス、サッカラでは階段ピラミッドと他に2つのピラミッドを訪問する。
 夕方ピラミッドに沈む夕陽を見にいった。今日から祭りに入ったそうで、すごい喧騒だった。馬に乗って走っている若者もいる。夜、ピラミッドの音と光のショーを見る。古代にひき込まれるような厳粛さがあったが、英語がよく分からなかったので余り面白くなかった。それに風が冷たく寒かった。
8月27日(火)

晴れ
機中 5時半モーニングコール。帰りはマニラにも寄り、日本時間で、28日(水)2時半無事到着する。