降水確率0パー セントの予報に惹かれ、赤兎山に登ることにした。紅葉には少し遅いと思われたが、それなりの景色は楽しめるのではないかと期待できた。小原林道は青変わらず長く感じる。途中でイノシシの親とウリ坊3匹が横切って行った。僕の車に気付いていったん止まったが、安全を確認してゆっくり林の中に入って行った。
2段になっている下の駐車場には1台も車が止まっていなかったが、こんなことは初めてで、すでに秋の登山の季節が終わりかけていることが感じられた。さすがに上段の駐車場には10台程の車があった。2人組の後を追うように整備された登山道に入る。調子に乗って大股で早く歩くと心臓に負担がか かるので、登り始めはゆっくり歩く。不思議なもので、マイペースでゆっくり歩いても、ガイドブックの標準時間より少し早く小原峠に着いた。
そこからの段差のある急登を覚悟していたが、そのような場所にはう回路が作られていた。このところの雨でぬかるんでいる個所が多かったが、それは仕方がないことであった。大舟山分岐に近づくと、左に白山の山々、後ろに大長山がちらほら見えてくる。分岐では赤兎山の丸い頂上が雑木林越しに見える。
頂上からは三ノ峰、別山、白山と続く峰々がきれいに見えてい る。背後には経ヶ岳が意外な近さでそびえている。赤兎平に降りて行くと、前方に笹の平原の中に赤い避難小屋やが見える。アルプスの牧場に立つしゃれた山小屋を思い出させる。小屋横の登山道の先からは、ダイナミックな白山が目の前に迫っていた。左に目を転じれば乗鞍岳が山々の間から顔を覗かせていた。
紅葉にはやはり遅かったが、帰りの道では、行きには見逃していたカエデや黄色く色づいた葉っぱが太陽に輝いていて、それなりに満足できた1日だった。
|